待っててね。 ページ29
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杏寿郎は、
不貞腐れていた。
そんな師範を横目に、
稽古をつけてもらいながら、
炭治郎は苦笑いを浮かべた。
「…あの、煉獄さん」
「竈門少年！！あと千回追加だ！！」
「ひぃぃっ！！」
炭治郎、
完璧なるとばっちりである。
Aが炎柱を継承してからというものの、
すっかり忙しくなってしまった。
Aが任務に出て五日。
つまり、
五日会えていないのである。
その間杏寿郎は生家に留まり、
炭治郎に稽古をつける日々を送りながら
必死に気を逸らしているつもりだった。
それでもやはり、
Aの事を考えない日はない。
「…Aさんは、大丈夫ですよ！」
「…竈門少年…」
「必ず煉獄さんの元へ帰ってきます」
そう笑った炭治郎に、
杏寿郎は小さく笑い返した。
継子である炭治郎にまで、気を遣わせてしまうとは。
不甲斐ないなと俯いた。
「…そうだな！竈門少年の言う通りだ！」
「はい！」
「うむ！打ち込み稽古を始めるぞ！！」
「よろしくお願いしますっ」
勢いよく立ち上がった杏寿郎に、
炭治郎も声を上げた。
そんな二人を見届けていた杏寿郎の鴉、要は
静かに空へと羽ばたいた。
…＿＿＿
肩にとまった黒に、
Aはふわりと笑った。
指で頭を撫でると、心地良さそうに目を瞑った。
「…そろそろ、旦那様は限界かな？」
分かってるなら早く帰ってやれ、
と頬を突いた要に
痛い…とAは頬をさすった。
上弦の鬼の情報が掴めそうだと、
急遽長期の任務に変更になってしまった。
鴉を飛ばして伝えはしたが…
「…ふふっ、きっと不貞腐れてるわね」
これ以上の情報収集は見込めないだろう。
Aは小さく息を吐くと、
杏寿郎に戻ると伝えてほしいと、要を飛ばした。
目ぼしい情報は得られなかったと、
お館様へ向けて、Aは自分の鴉を飛ばす。
自ら報告に赴くべきだが、
今はとにかく、
拗ねた杏寿郎に振り回されているであろう炭治郎を、
救出してあげなくては。
そして、
思いっきり、
ただいまと、
抱きしめたい。
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香澄 - とっても面白いです！！今日の朝は電車で笑いを堪えながら見ていました笑。更新頑張ってくださいね！ (2月19日 21時) (
レス) @page8 id: 130dd00968 (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - RUNAさん» コメントありがとうございます、分かりにくくてすみません、わざと火の表記にしています。日の呼吸について詳しく明かされていない状態での会話になるので…… (7月22日 14時) (レス) @page22 id: bb66615edf (このIDを非表示/違反報告)
RUNA(プロフ) - 失礼かとも思うんですが、火の呼吸じゃなく日の呼吸ですよ! (6月19日 22時) (レス) @page22 id: 391b329446 (このIDを非表示/違反報告)
夕 - 何度も続けてのコメントですみません。 物語読んでいて気が付いたのですが｡｡｡ 番外編.有能妻の日常のここの部分 待っていろ！と掛けて行った。 これ正しくは駆けて行ったではないんでしょうか？ (2021年11月2日 1時) (レス) @page34 id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
夕 - またまた続けてのコメントですみません｡｡｡ 物語一気に読んじゃいました。 この物語では煉獄さん生き延びることが出来て良かった です｡｡｡ その後のお二人のことが気になります。 (2021年11月2日 1時) (レス) @page33 id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユリア
| 作成日時：2021年2月13日 23時
