招集。 ページ27
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次の柱合会議への出席を命じられたA。
まるで、
それが必然だったかのように。
Aには次の炎柱を任せたいと、
そう耀哉の鴉から伝えられた。
「さすがはお館様だ!」
「杏寿郎も出席してほしいって言ってたけど、身体大丈夫?」
「うむ!胡蝶も、やがて退院だと言っていた!」
身体が鈍ってしまう!と腕を回した杏寿郎に、
Aはホッと息を吐いた。
かつてのように戦えずとも、
杏寿郎の中の炎が消えぬ限り、
『炎柱・煉獄杏寿郎』はそこに在るのだ。
「Aが出席するということは、やっと柱の皆に自慢の妻を紹介できるな!」
「…もう皆さんご存知だと思うけども」
「これから炎柱として皆と任につく機会も増えるだろう!Aは俺のものだとしっかり分からせておかねばならない!」
「そんな心配いらないよ」
「心配ではない!!必要な事だ!!」
「…そう」
苦笑いしたAを、
杏寿郎の腕が引き寄せる。
「…君はどれだけ自分が魅力的なのか分かっていないからな」
「……あなたの妻としての自覚は、ちゃんと持ってるつもりだけど」
「よもや、それを疑っているわけではない!もしAが俺の元を離れようとしたとして、それを許すと思うか?」
「え、怖い!」
「はっはっは!その時は君をどこへも行けぬよう繋ぐまでだ」
本当にやりかねない。
笑いながらも、その目の奥に見えた本心に
Aは身震いした。
離れようと身体を捩らせたAの顎に手をやり、
上を向かされる。
杏寿郎と視線が合わさる。
「……弱くなった俺を嫌いになるか?」
「なるわけないでしょう。あなたは私の心を守ってって、そう言ったじゃない」
「……俺は君のことになると、色々と不安定になる。…不甲斐なしだ」
「何を今更……そんな所も含めて、愛してるの」
「…もう一度言ってくれ」
「愛してる」
「…もう一度」
「あなたの全部を愛してる」
「…抱きたい」
「それは駄目」
ちゅ、と触れるだけの口付けをして、
意地悪そうに笑ったA。
不意打ちに顔を赤らめた杏寿郎は、
口元に手を当て、ため息を吐いた。
「…よもや生殺しだ」
「治ったらね」
「もう治った!!」
「いいから寝なさい」
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香澄 - とっても面白いです!!今日の朝は電車で笑いを堪えながら見ていました笑。更新頑張ってくださいね! (2月19日 21時) (レス) @page8 id: 130dd00968 (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - RUNAさん» コメントありがとうございます、分かりにくくてすみません、わざと火の表記にしています。日の呼吸について詳しく明かされていない状態での会話になるので…… (7月22日 14時) (レス) @page22 id: bb66615edf (このIDを非表示/違反報告)
RUNA(プロフ) - 失礼かとも思うんですが、火の呼吸じゃなく日の呼吸ですよ! (6月19日 22時) (レス) @page22 id: 391b329446 (このIDを非表示/違反報告)
夕 - 何度も続けてのコメントですみません。 物語読んでいて気が付いたのですが。。。 番外編.有能妻の日常のここの部分 待っていろ!と掛けて行った。 これ正しくは駆けて行ったではないんでしょうか? (2021年11月2日 1時) (レス) @page34 id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
夕 - またまた続けてのコメントですみません。。。 物語一気に読んじゃいました。 この物語では煉獄さん生き延びることが出来て良かった です。。。 その後のお二人のことが気になります。 (2021年11月2日 1時) (レス) @page33 id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユリア | 作成日時:2021年2月13日 23時