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その知らせは、ある日唐突にやってきた。
「…炎柱様と、任務?」
「おう。俺様に感謝しろよ。派手に平伏せ」
「いや無理無理無理。は?感謝どころか何余計な事してくれてんだコノヤローですよ」
「一回死んどくか?」
こればかりは本当に、余計なお世話である。
こちとら初恋拗らせて1年、
あれ以来まともに会話どころか目も合われられないというのに。
「嘘でしょ宇髄さん嘘と言ってお願いします」
「いつまでも憧れのままっつーのも可哀想だろ?俺様の優しさに感謝しろ」
「絶対面白がってるだけでしょ!?」
最後に会った日、何かよからぬ事を企んでいそうだと思ったが…
予感的中。いや的中したくなかったが。
宇髄さんが運んできたのは、
十二鬼月潜んでいるかもしれないという地区への長期潜入任務。
小さな集落の為、住んでいる村人へ不安を与えないようにと、あくまで引っ越してきた人間として潜入するという。
そう、
新婚ほやほやの夫婦として。
「誰が?」
「お前が」
「誰と?」
「煉獄と」
「馬鹿ですか?」
「お前がな」
「無理無理無理無理無理無理」
「お前の意見は聞いてねぇ。お館様からの決定事項だ。諦めな」
「宇髄さんさっき俺に感謝しろって言ってましたよね!?仕組んだんでしょ!?この眉目秀麗優男!!」
「はいはいありがとー」
落ち着け私。冷静になれ私。
そもそもだ。
炎柱様もなかなかに派手だ。
あんな燃えるような髪で、それでいてあの滲み出る柱オーラ、隠せるわけがない。
そして夫婦である必要があるのか?
親と生き別れた兄弟、という設定でもいけるのではないのか。
いや、そんなことよりも。
「…炎柱様は、もうご存知なんですか?」
1年も前に、泣きべそをかいていたいち隊士のことなど、
覚えていようもない。
あれからまともに顔を合わせることもできない、
ただ遠くから想うことしかできない、
…そんな、私が、
「…私は、炎柱様の足でまといにしかならないです」
「お前を相手に指名したのはあいつだがな」
「……え?」
「煉獄が適任だってお館様に進言したのは俺だが、相手の隊士にお前を選んだのは煉獄だ」
…………え???
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まゆ - 無理のないように頑張って下さい!ユリアさんのファンになりました٩(๑>∀<๑)۶ (2月4日 9時) (レス) @page19 id: 311499c733 (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - まゆさん» うわーーんコメントありがとうございます( ; ; )ドキドキ!嬉しいです!頑張ります(*´˘`*)♡ (2月3日 22時) (レス) id: bb66615edf (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - とても素敵なお話です!読んでいるとすごくドキドキしました♡続きが気になります!更新を楽しみにしてます⸜( •⌄• )⸝ (2月3日 15時) (レス) @page16 id: 311499c733 (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - にこさん» ( ᴗ͈ ᴗ͈)” 勢いのまま完結まで書き切りたいと思います(*˙˘˙*) (1月23日 1時) (レス) id: bb66615edf (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - さやさん» (*´˘`*)♡ (1月23日 1時) (レス) id: bb66615edf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユリア | 作成日時:2024年1月21日 14時