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24. ページ24

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「好きだった、触れてほしかったと、何度も君の口からこぼれ落ちる度に、…俺は拳を握りしめた。何故、…何故、君が想う相手は俺ではないのかと」

「……ぇ、」

「だから、狡い聞き方をした。俺を好いているのかと、先程聞いただろう?」





そうではないと分かっていたのに。


ゆっくりと身体を離して、そう続けた杏寿郎さんは、

寂しそうに笑っていた。




情報量に、頭が追いつかない。


私は杏寿郎さんに、想いを伝えてしまっていた。

杏寿郎さんはそれを、別の誰かに対するものだと思っていた。

だから悔しくて、カマをかけた。

そして私は、それに釣られた……と。





「……だから、聞かなかったことにしてくれ…?」

「うむ!仕切り直しをさせてほしい!」





仕切り直し…?


戸惑う私に、杏寿郎さんはコホン、と1つ咳払いをした。





「A、俺は君が好きだ」

「…………」

「再会して気がついた。俺は初めて会ったあの日、あの瞬間から、Aが好きだった」

「……そ、んな、」

「だから、A。…俺に、言ってくれ」

「……っ」

「あの日の言葉を、君の本当に望むことを、…俺に、言ってくれ」





これは、都合のいい夢だと、

私はまだ、鬼の血鬼術で都合のいい幻覚でも見せられているのだと。


そう、分かっていても。


目の前で、大切に想ってきた人が、

聞かせて欲しいと願っている。


言ってもいいのだと、言ってほしいと、望んでいる。



だから、今だけ。

今だけは、どうか。


素直な気持ちを、伝えさせて。





「……初めて、会った時から、…ずっと、ずっと好きでした…っ」

「……うん」

「本当は、ずっと、…私を見てほしくて、私だけに、触れてほしくてっ……愛して、ほしかった…!」

「……うん」

「好きです…、杏寿郎さんが…好き…っ」





泣くな、

泣きながら告白なんて、狡い。


歪む視界を手で拭って、必死に堪えた。


ひとしきり打ち明けてしまった私は、
何も話さない杏寿郎さんに、不安で押しつぶされそうになった。


怖い、

言ってほしいからと素直に話してしまったけれど…。



恐る恐る視線を上げる。


そして視線が合わさると、

杏寿郎さんは、
愛おしそうに、優しい顔を浮かべた。







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25.→←23.☆



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まゆ - 無理のないように頑張って下さい!ユリアさんのファンになりました٩(๑>∀<๑)۶ (2月4日 9時) (レス) @page19 id: 311499c733 (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - まゆさん» うわーーんコメントありがとうございます( ; ; )ドキドキ!嬉しいです!頑張ります(*´˘`*)♡ (2月3日 22時) (レス) id: bb66615edf (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - とても素敵なお話です!読んでいるとすごくドキドキしました♡続きが気になります!更新を楽しみにしてます⸜( •⌄• )⸝ (2月3日 15時) (レス) @page16 id: 311499c733 (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - にこさん» ( ᴗ͈ ᴗ͈)” 勢いのまま完結まで書き切りたいと思います(*˙˘˙*) (1月23日 1時) (レス) id: bb66615edf (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - さやさん» (*´˘`*)♡ (1月23日 1時) (レス) id: bb66615edf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユリア | 作成日時:2024年1月21日 14時

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