23.☆ ページ23
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Aが膝から崩れ落ちるのを見た時。
鬼を前にしているというのに、
一瞬、意識を完全に逸らしてしまった。
分かっていたことだろう。
Aは、己の命より、あの二人を守ることを優先する。
…いや、
鬼殺隊として、人命を優先することは至極当然だ。
分かっていた、はずだろう。
「っ……A…！！無事か！！」
「…………」
「、…間に合わなかったか…っ」
意識を失って倒れているが、操られていた夫婦は無事だ。
Aは守りきった。
虚ろな目をしているが、Aも外傷は無いように見える。……呼び掛けには反応しない。これ以上無闇に干渉すべきではないな。
「すぐに胡蝶に鴉を飛ばす。許可がおりたら屋敷へと運ぶ故、もうしばらく待っていてくれ」
要が飛び立つのを見送り、
己の羽織をAへ掛ける。
夜はやはり冷える。
火を炊こうと立ち上がろうとした時、
微かに聞こえたそれに、俺は慌てて身を屈めた。
「A！？意識が戻ったか！？」
「…………、」
「どうした！どこか痛むか！？」
目は虚ろなままだ。
鬼は斬ったが、まだ術は解けていないのか？
小さく動かす口元に、耳を寄せる。
何かをずっと紡いでいる。
「A…、」
「…………ずっと、…好きだった」
「…………」
「本当は…ずっと、……私を見てほしかった。…触れて、ほしい、…愛してほしい」
「…………君には、好いた男がいるのだな」
鬼の能力が如何様な影響を及ぼしているのか、
それが分かるまで安易な事は言えない。
だが、
これで合点がいった。
この任務をえらく拒んでいたのも、
なかなか縮まらなかった距離も、
俺の目を、見ないのも。
……全部、それが理由だったか。
自惚れていた。
…君も、俺と同じ感情を抱いているのではと。
「……ずっと、好きだった」
「…うん、そうだな」
「本当はずっと、私を見てほしかった。…触れてほしい、愛してほしい」
「…君が望むなら、きっと叶うだろう。…帰ってそれを、伝えればいい」
「…………ずっと、好きだった」
「……うん」
何度も呟いては、次第に揺れていく声に、
耳を塞いでしまいたくなるのは、
……俺の、弱さだ。
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まゆ - 無理のないように頑張って下さい！ユリアさんのファンになりました٩(๑>∀<๑)۶ (2月4日 9時) (
レス) @page19 id: 311499c733 (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - まゆさん» うわーーんコメントありがとうございます( ; ; )ドキドキ！嬉しいです！頑張ります(*´˘`*)♡ (2月3日 22時) (レス) id: bb66615edf (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - とても素敵なお話です！読んでいるとすごくドキドキしました♡続きが気になります！更新を楽しみにしてます⸜( •⌄• )⸝ (2月3日 15時) (レス) @page16 id: 311499c733 (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - にこさん» ( ᴗ͈ ᴗ͈)” 勢いのまま完結まで書き切りたいと思います(*˙˘˙*) (1月23日 1時) (レス) id: bb66615edf (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - さやさん» (*´˘`*)♡ (1月23日 1時) (レス) id: bb66615edf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユリア
| 作成日時：2024年1月21日 14時
