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「俺があの村で鬼を斬る寸前だった。分裂した鬼の一体が、あの夫婦に襲いかかるのを君が防いだ」





そこまでは、覚えている。





「一瞬気を取られた。…間に合わなかった俺の責任だ。すまない」





違う、私が弱いせいだ。あなたのせいなんかじゃない。





「鬼を斬ってからも、しばらく君は虚ろな目で座り込んで動かなかった。何度呼びかけても、……同じ言葉を、繰り返すのみだった」





初めて聞く話に、身体が強ばる。



言葉……?そんなの、記憶にない。


私は鬼に意識を奪われて、本能的な部分を引き出されて……



まさか、





「ずっと、好きだった」





ああ……最悪だ、





「本当はずっと、私を見てほしかった。…触れてほしい、愛してほしい」





私自身ですら、奥底に隠して、見えなくしていた。

浅ましくて、醜くて、
……決して叶うことのない、欲を。



こんな形で、
あなたに知られてしまうなんて。






顔を伏せたまま、両手で顔を覆う。

ぎしりとベッドの軋む音が聞こえて、
杏寿郎さんが私の横に座ったのが分かった。


顔なんて、見れるはずもない。





「……ごめんなさい」

「…A、」

「忘れられなくて、…好きになって、ごめんなさい…っ」





強くなりたかった。

杏寿郎さんに認めてもらえるように、

並んで戦えるように、


強くなった私を、見てほしかった。



それなのに。





「……そうか」

「…っ」

「ならば先程の問いは、聞かなかったことにしてくれないだろうか!」

「…………へ、?」





どういう意味、

そう続けるはずだった言葉は、
勢いよく抱き寄せられ、声にならずに消えていった。



伝わる熱に、

聞こえる鼓動に、

私はただ、動けずにいた。







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まゆ - 無理のないように頑張って下さい!ユリアさんのファンになりました٩(๑>∀<๑)۶ (2月4日 9時) (レス) @page19 id: 311499c733 (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - まゆさん» うわーーんコメントありがとうございます( ; ; )ドキドキ!嬉しいです!頑張ります(*´˘`*)♡ (2月3日 22時) (レス) id: bb66615edf (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - とても素敵なお話です!読んでいるとすごくドキドキしました♡続きが気になります!更新を楽しみにしてます⸜( •⌄• )⸝ (2月3日 15時) (レス) @page16 id: 311499c733 (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - にこさん» ( ᴗ͈ ᴗ͈)” 勢いのまま完結まで書き切りたいと思います(*˙˘˙*) (1月23日 1時) (レス) id: bb66615edf (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - さやさん» (*´˘`*)♡ (1月23日 1時) (レス) id: bb66615edf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユリア | 作成日時:2024年1月21日 14時

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