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「…落ち込んでますねぇ、Aさん」
「おー…派手にな」
「煉獄さんには、先程鴉を飛ばしておきました。任務が終わり次第すぐ駆けつけるはずです」
「むしろ秒で終わらせてくるだろ、あいつなら」
「ふふふ…そうですね」
長期で潜ってた任務も、終わりが近い。
そうAから知らせが来た。何故か俺に。
いや、理由は分かる。
煉獄の奴と夫婦なんざおいしい任務を仕組んでやった俺に対する、嫌がらせだ。
照れ隠しだろ。
互いに名前で呼び合うほどには進展したらしいが、
こいつらにそれ以上を求めるだけ無駄だ。
終わりが近いのを惜しむような内容の手紙が双方から届いた時は、
さすがに酒が不味かった。
揶揄いはするが、上手くいかれるとそれはそれで気に入らん。
だがまぁ…こいつら阿呆だしな…
俺様がいねぇと永遠に話もできねぇだろ。
「よぉ」
「…あぁ…宇髄さん…今日も顔面が無駄に整ってますね…」
「まだ頭やられてんのか?」
「いいえ…心からの言葉です…」
「鬼は煉獄の奴が斬った。利用されてた夫婦も無事だ。村の人間も無事。全員生きてる。…ちゃんとやり遂げたんだ、そう気ぃ落とすな」
「…………宇髄さんが慰めてくれてる…」
「その顔やめろ」
天変地異か?驚きすぎだろ。
無事にやり遂げだ。
そして生きて帰った。
…それだけで、十分なんだよ。
Aを抱えて煉獄が蝶屋敷を訪れた時、
ちょうど俺もその場に居合わせた。
血相を変えて胡蝶に説明する煉獄の姿に、俺も胡蝶も少なからず驚いたもんだ。
柱は常に冷静に、皆の規範であり、……
そんな御託は、
好いた女の前じゃ、二の次だ。…なぁ、煉獄。
「うっし、あとは俺の役目じゃねぇな。大人しく寝て待ってろ」
「…杏寿郎さんに、合わせる顔がありません」
「何言ってんだ、今更逃げられるわけねぇだろ」
「……でも、」
「いい加減腹くくれ。派手にな」
上手くいくのは、気に入らないが。
…こいつも、煉獄も、
いつ失うか分からない時間、
少しでも、一緒に居たらいいんじゃねーの。
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まゆ - 無理のないように頑張って下さい!ユリアさんのファンになりました٩(๑>∀<๑)۶ (2月4日 9時) (レス) @page19 id: 311499c733 (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - まゆさん» うわーーんコメントありがとうございます( ; ; )ドキドキ!嬉しいです!頑張ります(*´˘`*)♡ (2月3日 22時) (レス) id: bb66615edf (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - とても素敵なお話です!読んでいるとすごくドキドキしました♡続きが気になります!更新を楽しみにしてます⸜( •⌄• )⸝ (2月3日 15時) (レス) @page16 id: 311499c733 (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - にこさん» ( ᴗ͈ ᴗ͈)” 勢いのまま完結まで書き切りたいと思います(*˙˘˙*) (1月23日 1時) (レス) id: bb66615edf (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - さやさん» (*´˘`*)♡ (1月23日 1時) (レス) id: bb66615edf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユリア | 作成日時:2024年1月21日 14時