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「ああ…A」
…杏寿郎、さん?
「俺のA、…俺だけのものだ」
…な、にを、…ちょっと、
「君の全ては、俺のものだ。誰にも渡さない」
「杏寿郎さんはそんなこと言わない!!!!」
「おっ……まえ、なぁ…!」
「……あれ、宇髄さん?」
視界に映るのは、白いカーテン、白いベッド、
そしてものすごく驚いている、宇髄さん。お久しぶりです…?
「…あれ?私……」
「十日寝てたんだぞ…胡蝶呼んでくるから待ってろ」
そう残して、少し焦ったように部屋を出る宇髄さんの後ろ姿を見送る。
十日…寝てた?
いや、私は、杏寿郎さんと任務中で…
鬼に操られてた二人を助けて、鬼と闘って…
もう少しってところで、鬼が分裂して三体に……
ああ、思い出した。
「…あんなに、注意しろって言われてたのになぁ」
血鬼術を受けてしまったんだ。
意識を飛ばす寸前、杏寿郎さんが駆け寄ってきてくれたのが見えた。
…杏寿郎さんは、無事なのだろうか。
とんだ役立たずだ、私は。
「よかった、目を覚ましたんですね」
「!胡蝶さま、」
「まだ動いてはいけませんよ。…意識は、しっかりしているようですね」
「…は、い」
「状況は煉獄さんから聞きました。あなたは敵の血鬼術によって眠らされ、軽い洗脳状態にあったようですね」
「……せんのう、」
よかった、杏寿郎さんも無事だった…、
でも洗脳、とは、
人間の精神を操れるのは知っているが、
洗脳………
もしかして、
杏寿郎さんにあんなこと言わせて迫らせたのも……
血鬼術か、そうか、なるほど、納得。
「煉獄さんも、昨日まではずっとあなたの傍に居たんですよ?鴉からの指令を聞いて、昨晩行ってしまいましたが」
「っ…そう、だったんですね、…迷惑をかけてしまいました。胡蝶様にも…お手を煩わせて申し訳ありません、」
「…迷惑、ですか」
胡蝶様が、少し表情を曇らせる。
柱である杏寿郎さんの足を引っ張ったうえ、
眠り続けて貴重なベッドを占領してしまった。
…恥ずかしい。
私はあの頃から、何も、成長していない。
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まゆ - 無理のないように頑張って下さい!ユリアさんのファンになりました٩(๑>∀<๑)۶ (2月4日 9時) (レス) @page19 id: 311499c733 (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - まゆさん» うわーーんコメントありがとうございます( ; ; )ドキドキ!嬉しいです!頑張ります(*´˘`*)♡ (2月3日 22時) (レス) id: bb66615edf (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - とても素敵なお話です!読んでいるとすごくドキドキしました♡続きが気になります!更新を楽しみにしてます⸜( •⌄• )⸝ (2月3日 15時) (レス) @page16 id: 311499c733 (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - にこさん» ( ᴗ͈ ᴗ͈)” 勢いのまま完結まで書き切りたいと思います(*˙˘˙*) (1月23日 1時) (レス) id: bb66615edf (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - さやさん» (*´˘`*)♡ (1月23日 1時) (レス) id: bb66615edf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユリア | 作成日時:2024年1月21日 14時