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「A、覚悟は決まったか!」
「…はい!必ず鬼を斬ります!!」
「うむ!!いい返事だ!!」
いよいよ、決戦の日だ。
杏寿郎さんがあんなことを言うから、少しばかり寂しい気持ちで凹みもしたが……
いや、少しというのは嘘だ。
本当はものすごく寂しい。
だからといって、任務に私的感情を挟むつもりはない。
この村の人達を脅かす鬼は、絶対に全て斬る。
「君の実力を疑うつもりはない!思うように動いてくれ、俺が合わせよう!」
「えっ!?そんな、私が援護します…!」
「俺が、君に任せたいんだ」
「っ……ず、るいですよ、」
「はっはっは!そうだ、俺は狡い!!」
その笑顔は狡すぎる。
赤くなった顔を背けるように、慌てて下を向く。
落ち着け私、これから鬼を殲滅に行くんだ。
鬼、鬼、鬼の顔を…………
杏寿郎さんの笑顔はもはや鬼よりも脅威では?
「煩悩には勝てそうにありませんが、問題無しです行きましょう!!」
「…うむ!!さっぱり分からんが、行こう!!」
この集落は、複雑な形で家屋が建っている。
私達の住まいとして用意された家は、集落の中心寄り。
集落の少し外れともいえる場所に、何軒か家がある。
鬼が住まうのは、そのうちの一軒だ。
日中顔を見せない村人がいれば、他の者は不審に思うだろう。
だが、そうではなかった。私達が、気付かないほどに。
「分かっているな、A!敵の血鬼術はおそらく、人の精神を操れる!条件がはっきりしない以上、無闇に近付くべきではない!」
「はい!まずは操られている人の救助を優先します!」
「うむ!操られているのは二人、若い夫婦だ!」
そう、この夫婦が、日中生活している姿を見せているのだ。
もしかしたら…操られて、その手を汚してしまっているかもしれない。
だとしたら、…絶対に、許せない。
「見えたな!」
「鬼の気配がしない…消すのが上手いですね」
「痕跡はあるはずだ、行くぞ!」
人の気配はある、大丈夫、生きてる。
敵が私達に気付く前に、必ず仕留める…!
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まゆ - 無理のないように頑張って下さい!ユリアさんのファンになりました٩(๑>∀<๑)۶ (2月4日 9時) (レス) @page19 id: 311499c733 (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - まゆさん» うわーーんコメントありがとうございます( ; ; )ドキドキ!嬉しいです!頑張ります(*´˘`*)♡ (2月3日 22時) (レス) id: bb66615edf (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - とても素敵なお話です!読んでいるとすごくドキドキしました♡続きが気になります!更新を楽しみにしてます⸜( •⌄• )⸝ (2月3日 15時) (レス) @page16 id: 311499c733 (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - にこさん» ( ᴗ͈ ᴗ͈)” 勢いのまま完結まで書き切りたいと思います(*˙˘˙*) (1月23日 1時) (レス) id: bb66615edf (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - さやさん» (*´˘`*)♡ (1月23日 1時) (レス) id: bb66615edf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユリア | 作成日時:2024年1月21日 14時