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宇髄さんから話を聞いた時。
この任務に適任なのは、
正直杏寿郎さんではなく、師範のほうではないのかと思った。
集落で暮らす夫婦で、杏寿郎さんの燃えるような髪はあまりに目立ちすぎるのではないか。
師範は…顔は整いすぎているが、口数も少ないし、向いている気がする。
まぁ……私が杏寿郎さんに想いを寄せている事を知っている宇髄さんが仕組んだことだけど、
でも、お館様がお決めになったはず…
そんなことを考えていた、あの日の私を殴ってやりたい。
「…うーん、やはり違和感は拭えぬが、及第点だな!」
「何を仰いますお似合いです眼福ですありがとうございます」
「、そ、そうか!」
「いつもの色ももちろん素敵ですが黒もとてもお似合いです…!」
「…っ、そ、それは…よかった」
……はっ!?
しまった、興奮のあまり詰め寄ってしまった。
杏寿郎さんが顔を手で覆ってしまった。
私なんかにこんなに見られて、気分を害したに違いない。何てことを。
「すっすみません!!!!」
「!?いや!!少しばかり動揺しただけだ!謝る必要はない!!」
動揺…させてしまった。
杏寿郎さんとお会いするのは、あの日以来だ。
緊張して目は合わせられないし、会話出来ているだけでも奇跡のようなもの。
それでもどうやら、私は少なからず浮かれていたらしい。
いつもの隊服とは違う着流し姿、
任務の為に染め粉で黒く染めた髪、
本当なら、私なんかが見られるはずない、
想いを寄せる人の、特別な姿。
「……A」
「っはい、」
「少しだけ、触れてもいいだろうか」
「…………ぇ、」
「無理強いはしない。嫌ならそう言ってほしい」
無意識に、首を縦に振っていた。
嫌なわけがない。
杏寿郎さんの手がゆっくり伸びてきて、
私の頭を撫でた。
「…また話せてよかった」
「っ……」
「よし、行くとしよう!」
……あぁ、
こんなの、
大好きが、募るばかりです。
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まゆ - 無理のないように頑張って下さい!ユリアさんのファンになりました٩(๑>∀<๑)۶ (2月4日 9時) (レス) @page19 id: 311499c733 (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - まゆさん» うわーーんコメントありがとうございます( ; ; )ドキドキ!嬉しいです!頑張ります(*´˘`*)♡ (2月3日 22時) (レス) id: bb66615edf (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - とても素敵なお話です!読んでいるとすごくドキドキしました♡続きが気になります!更新を楽しみにしてます⸜( •⌄• )⸝ (2月3日 15時) (レス) @page16 id: 311499c733 (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - にこさん» ( ᴗ͈ ᴗ͈)” 勢いのまま完結まで書き切りたいと思います(*˙˘˙*) (1月23日 1時) (レス) id: bb66615edf (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - さやさん» (*´˘`*)♡ (1月23日 1時) (レス) id: bb66615edf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユリア | 作成日時:2024年1月21日 14時