私を見て、触れて、愛して。〈煉獄杏寿郎〉

1. ページ1

.





恋に落ちる瞬間を経験した事があるだろうか。





雷が落ちたような、

心臓を撃ち抜かれたような、


そんな色んな表現を聞くが、

私の場合は……





｢日輪刀で全身ぶった斬られたような衝撃でした｣

｢おーそりゃまた派手だな｣

｢大丈夫ですよ、生きてます。心配してくれてありがとうございます｣

｢してねぇわ｣





つーかそれじゃ不死身だろ。
そんなツッコミを律儀に入れてくれるこの人。


派手な見てくれだが、男気ある優しいモテ男。
そして私の想い人の親友でもある。(本人曰く)

音柱、宇髄天元。

横でつまらなそうに鼻ほじってるくせに、
しっかりと話を聞いてくれる。
……顔面がいいと鼻ほじってても画になるな…





｢つーか冨岡いつ戻るんだよ｣

｢師範の行動を私が把握できているとでも？｣

｢いやお前継子だろ｣

｢宇髄さんこそ、鴉飛ばせばいいじゃないですか。私の話聞いてくれる為にわざわざ出向いてくれたんでしょ？素直じゃないなぁ｣

｢お前の頭どうなってんの？｣





そう言いつつ、否定はしない。優しい。


だが実際、師範である義勇さんの行動は全く把握出来ていないのだ。
あの人は、必要な時以外ほとんど会話をしてくれない。
いつも私が一方的に喋っているだけだ。
そしていつの間にか居なくなっている。

……悲しくなってきた。

今日は鮭大根作って待っていよう。
そして食べてもらう代わりに私と会話してもらうよう交渉しよう。

………悲しくなってきた。





｢つーかお前そんだけ煉獄に惚れてんのに、何で冨岡の継子なんだよ｣

｢…仕方ないでしょ、適性が水だったんだから！！当たり前の事聞かないで下さいよ意地悪！！顔面偏差値高すぎ男！！｣

｢んな褒めんなよ｣

｢キーッ！！！｣

｢ガキか｣





師範に聞かれたらどうしてくれる。
継子解消されたら音柱邸に住み着いてやるからな。









.

2.→

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す