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「おはよう、A!」
目が覚めて真っ先に視界に映ったのは
優しい目で見つめる、杏寿郎さんだった。
「…きょ…じゅろ…さん?」
「ははっ、寝ぼけているのか?愛いな!」
「…あれ、え?何で、」
「昨日はすぐ眠ってしまったんだ。…ぐっすり眠れたみたいで安心した」
まだ覚醒しきれていない頭で、
どうにか記憶を思い起こそうとする私に
頭を優しく撫でながら、杏寿郎さんがそう言った。
…そうだ、
キスされて、横に寝かされて、
抱きしめられる腕に安心して、そのまま眠ってしまったんだ。
「…ずっと、隣にいてくれてたの?」
「うむ!Aが抱きしめたまま離してくれなかったからな!」
「っ……杏寿郎さん、ちゃんと寝れた?」
「Aの寝顔を堪能してからちゃんと眠ったぞ!」
もう…、と杏寿郎さんの胸に顔を埋めると、
ぴくりと身体が跳ねた。
しまった、急にはまずかったかな?
慌てて顔を上げると、
仄かに顔を赤らめた杏寿郎さんが…。
「…杏寿郎さん、…赤くなってる」
「……昨夜から我慢しているんだ。あまり煽ってくれるな」
「!…ご、ごめ…」
「ハァ–……本当に、…可愛いな、俺の恋人は」
頬に手を添えられ、おでこにキスをされる。
愛おしそうに見つめる目に、
恥ずかしくなって俯いた。
「そ、それを言うならっ…杏寿郎さんだって、カッコよくて優しくて、…私には勿体無いくらいの素敵な彼氏ですっ」
「はははっ!褒めすぎだ!…だが一つだけ訂正してほしい」
ぎゅ、と抱きしめた杏寿郎さんは、
そのまま私ごと身体を起こす。
向き合う形で座り、優しく私の手を握った。
「自分には勿体無いくらい、なんて言わないでほしい。俺はAだから好きになったんだ」
「っ…」
「これから君の事を知っていく度に、もっと愛おしく思うだろう。改めて、これからよろしく頼む!」
「こちらこそっ…!」
よろしくお願いします、と堪らずに抱きつく私を、
笑って受け止めてくれた。
どうしよう、
こんなに幸せなんて、
杏寿郎さんはああ言ってくれたけれど、
本当に、
私には…勿体無いよ。
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ちゃも(プロフ) - すごく好きな内容でした!キュンキュンしたり感動の涙を流したりしてしまいました!続編待ってます! (2023年1月11日 1時) (レス) @page50 id: fdbe52dffa (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - 澪凪さん» 最後までお付き合い下さりありがとうございましたー!。゚(゚´ω`゚)゚。 亀更新ですみません。゚(゚´ω`゚)゚。 また長編書く際も読んでもらえると嬉しいです! (2021年11月29日 12時) (レス) id: 20317e0f29 (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - 京華さん» 長らくお待たせしてしまって申し訳ないです。゚(゚´ω`゚)゚。 完結まで見届けて下さって感謝しかありません。゚(゚´ω`゚)゚。 ありがとうございました! (2021年11月29日 12時) (レス) id: 20317e0f29 (このIDを非表示/違反報告)
澪凪(プロフ) - 完結おめでとうございますっ!!いやもう素晴らしすぎてトリコになっていました!!!お疲れ様でした!!!! (2021年9月29日 21時) (レス) @page50 id: f9618e512a (このIDを非表示/違反報告)
京華(プロフ) - 完結おめでとうございます!ユリアさんの煉獄さんは格好良くて本当に大好きです!ユリアさんの煉獄さん愛が滲み出すぎて私は毎回溺れています、笑...不甲斐ないなんてとんでもない!更新嬉しかったです!ありがとうございました!!! (2021年9月27日 23時) (レス) @page50 id: 483ff1bb3b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユリア | 作成日時:2021年3月27日 23時