検索窓
今日:23 hit、昨日:4 hit、合計:192,730 hit

32 ページ32

.





私が先にお風呂に入り、


後から杏寿郎さんが入った。



着替えも何もないのに気付いて、
申し訳なさで謝罪すると


気にすることはないと、笑って頭を撫でてくれた。





「だが着替えてもいないのに同じ床に入るのは良くないな!やはり俺はソファで…」

「……」

「…分かった、分かったからそんな顔をしないでくれ」





どうやら、顔に出てしまっていたらしい。



もう一度触れるだけのキスをして、

杏寿郎さんがベッドに腰を下ろした。




たくさん、我儘を言ってしまった。





「…ごめんなさい、私、…甘えてばかりで」

「何故謝る?俺は嬉しいぞ!」

「……我儘ばっかり言って、面倒な奴だって思いませんか?」

「…よもや俺がそんなことを思うとでも?」





それは、…思わない。



ゆっくり首を横に振ると、

おいで、と手を引かれる。



そのまま杏寿郎さんの膝の上に座らせられると、

ぎゅ、と抱きしめられた。





「言っただろう。俺は君が愛おしくて堪らないんだ」

「……言ったけど…あっ」

「ははは!砕けた話し方で構わない!俺たちはもう恋人同士、そうだろう?」

「……うん、っ」





そっちのほうがいい、と

優しく笑った杏寿郎さんに


また胸が、ぎゅっとする。



誤魔化すように杏寿郎さんにしがみつくと、

突然の事にそのまま押し倒す体勢になってしまった。


互いに目を見開いて固まる。



どう、しよう…!





「…いい眺めだ」

「っ…!ご、ごめっ…!」

「いい、そのままで。…このままAから口付けてはもらえないだろうか?」





目を細めて、するりと私の頬を撫でる。


そのまま口を親指でなぞられ、

顔に熱が集まるのが分かった。



恥ずかしい、

きっと、顔から火が出そうなほど真っ赤になってる。



…でも、





「……目、瞑って」

「見たい!!」

「だっだめ…!」

「むぅ…」





仕方なさそうに目を閉じた杏寿郎さんに、


ゆっくりとキスを落とす。



すぐに離れようとしたのに、

それは杏寿郎さんの手によって阻止される。


後頭部を押さえられ、

驚いた反射で開いた口に、
杏寿郎さんの舌が入って…!





「んんっ…!」

「……ん、…これ以上は我慢しなくてはな!」





にこっと笑って、


そのまま私の身体を抱きしめて、隣に寝かせた。







.

33→←31☆



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (602 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
882人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ちゃも(プロフ) - すごく好きな内容でした!キュンキュンしたり感動の涙を流したりしてしまいました!続編待ってます! (2023年1月11日 1時) (レス) @page50 id: fdbe52dffa (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - 澪凪さん» 最後までお付き合い下さりありがとうございましたー!。゚(゚´ω`゚)゚。 亀更新ですみません。゚(゚´ω`゚)゚。 また長編書く際も読んでもらえると嬉しいです! (2021年11月29日 12時) (レス) id: 20317e0f29 (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - 京華さん» 長らくお待たせしてしまって申し訳ないです。゚(゚´ω`゚)゚。 完結まで見届けて下さって感謝しかありません。゚(゚´ω`゚)゚。 ありがとうございました! (2021年11月29日 12時) (レス) id: 20317e0f29 (このIDを非表示/違反報告)
澪凪(プロフ) - 完結おめでとうございますっ!!いやもう素晴らしすぎてトリコになっていました!!!お疲れ様でした!!!! (2021年9月29日 21時) (レス) @page50 id: f9618e512a (このIDを非表示/違反報告)
京華(プロフ) - 完結おめでとうございます!ユリアさんの煉獄さんは格好良くて本当に大好きです!ユリアさんの煉獄さん愛が滲み出すぎて私は毎回溺れています、笑...不甲斐ないなんてとんでもない!更新嬉しかったです!ありがとうございました!!! (2021年9月27日 23時) (レス) @page50 id: 483ff1bb3b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ユリア | 作成日時:2021年3月27日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。