31☆ ページ31
.
キス、したい。
確かに聞こえたそれに、
俺はゆっくりと、身体を離した。
「…いいのか?」
「……うん、私がしたい」
「っ…正直、それだけで止められるか分からん」
手は出さないと誓ったばかりだ。
それに、先程あのような事があったばかり、
Aを、怖がらせるような真似はしたくない。
しては、いけない。
「…それでも、いい、」
「!…A、」
「杏寿郎さんが好きでっ…もう、苦しくてたまらないんです…っ」
涙を溜めて、
俺の服を掴むA。
好きで、たまらない。
それは俺も、同じなんだ。
俺だけのものにしてしまいたいと、
そんな醜い独占欲を抱いてしまうほど。
Aの頬を撫で、
その唇にゆっくりと口付ける。
「んっ…」
「……好きだ、A…っ」
「っ…私、も…っ杏寿郎さんが好き…!」
何度も、好きだと呟きながら。
何度も、何度も、
彼女にキスをする。
互いに溢れてたまらない想いを、ぶつけるように。
決して離れることなど、出来ないのだと。
こうして想いを繋げる事は、
必然なのではなかったのかと。
そう、思う他ないほどに。
俺はAを、
愛しているのだ。
「……もう一つ、我儘言ってもいいですか?」
「ああ、なんでも言ってくれ」
「…今日は、ずっと、…そばにいてほしい」
「……Aが望むなら、俺もそうしたい」
Aが嬉しそうに笑って、
俺の胸に顔を埋める。
…俺の恋人が可愛すぎるのだが。
うーん…正直手を出さずにいられる自信が全く無い!
微塵も!
Aはそれでも構わないと言っていたが、
だが今日付き合ったばかりで、
それに怖い思いをしたばかりで…
駄目だ。
堪えるんだ。煉獄杏寿郎。
Aを安心させる事が今日の俺の責務だ…!!
「Aが眠るまでそばにいる。俺はソファで寝るから安心してくれ!」
「ぇ……一緒に、寝て下さい…!」
「よ…もや」
愛する恋人の願いを
叶えられないわけがない。
.
882人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちゃも(プロフ) - すごく好きな内容でした!キュンキュンしたり感動の涙を流したりしてしまいました!続編待ってます! (2023年1月11日 1時) (レス) @page50 id: fdbe52dffa (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - 澪凪さん» 最後までお付き合い下さりありがとうございましたー!。゚(゚´ω`゚)゚。 亀更新ですみません。゚(゚´ω`゚)゚。 また長編書く際も読んでもらえると嬉しいです! (2021年11月29日 12時) (レス) id: 20317e0f29 (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - 京華さん» 長らくお待たせしてしまって申し訳ないです。゚(゚´ω`゚)゚。 完結まで見届けて下さって感謝しかありません。゚(゚´ω`゚)゚。 ありがとうございました! (2021年11月29日 12時) (レス) id: 20317e0f29 (このIDを非表示/違反報告)
澪凪(プロフ) - 完結おめでとうございますっ!!いやもう素晴らしすぎてトリコになっていました!!!お疲れ様でした!!!! (2021年9月29日 21時) (レス) @page50 id: f9618e512a (このIDを非表示/違反報告)
京華(プロフ) - 完結おめでとうございます!ユリアさんの煉獄さんは格好良くて本当に大好きです!ユリアさんの煉獄さん愛が滲み出すぎて私は毎回溺れています、笑...不甲斐ないなんてとんでもない!更新嬉しかったです!ありがとうございました!!! (2021年9月27日 23時) (レス) @page50 id: 483ff1bb3b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ユリア | 作成日時:2021年3月27日 23時