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本当に


長い夢でも、見てるのではないだろうか。




杏寿郎さんに、好きだと言われた。


杏寿郎さんに、恋人になってほしいと言われた。


杏寿郎さんに、

…キスを、された。





「Aちゃーん!3番テーブル!」

「っはぁーい!!」





いけない。

今は、仕事中だ。


頭を軽く振って、私は厨房へと急いだ。






また連絡すると、

家まで送り届けてくれた杏寿郎さん。


帰り際、

夢心地になっていた私に、


杏寿郎さんはまた、触れるだけのキスをした。


嬉しそうに、楽しそうに、

笑顔を浮かべた杏寿郎さんに



…どうしようもなく、


好きが溢れそうになった。





「どうした?何かあった?」

「!東堂さん…」





社員の東堂さんが、後ろから肩に手を置いた。


優しい先輩なんだけど、

スキンシップが多いというか…


私は彼が少し、苦手だった。



何でもないです、と無理やり笑顔を浮かべて

その場を離れようとした私に


東堂さんが、今度は手を掴んだ。





「っ…あの、ほんと、大丈夫です!」

「悩みなら聞くよ?」

「だから…っ」

「お姉さーん、注文お願いしまーーす」





もうはっきり言ってやろうかと、

腕を振り解こうとした時。


聞こえた声に、弾かれたように振り返った。


そこに見えた姿に、

一瞬だけ、泣きそうになってしまった。





「行きますっ!!」

「あっ」

「お、お待たせしました…!」

「ナイスタイミング?」

「…ありがとうございます、」





いいえー、と

笑顔を返してくれた宇髄さん。


一緒に来ていた不死川さんも、

ヒラリと手を振ってくれた。



初めて会った日、

あんなに失礼な態度をとってしまったのに。





「また来て頂いてっ…ありがとうございます…!」

「ここの飯美味いんだよねー」

「よかったです、」

「…アイツに言い寄られてんのかァ」





不死川さんの目線の先、

こちらを睨むように見ている東堂さんが見える。


返答に困っていると、


ハァ、と溜息が聞こえた。





「…煉獄には話したのかァ」

「へ?…いえ、何かされたとかでもないですし…って、え、何で、」

「今日のデート、どうだった?」





ニヤニヤした宇髄さんの言葉に、

思わず固まる。


…何で知ってるの?







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ちゃも(プロフ) - すごく好きな内容でした!キュンキュンしたり感動の涙を流したりしてしまいました!続編待ってます! (2023年1月11日 1時) (レス) @page50 id: fdbe52dffa (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - 澪凪さん» 最後までお付き合い下さりありがとうございましたー!。゚(゚´ω`゚)゚。 亀更新ですみません。゚(゚´ω`゚)゚。 また長編書く際も読んでもらえると嬉しいです! (2021年11月29日 12時) (レス) id: 20317e0f29 (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - 京華さん» 長らくお待たせしてしまって申し訳ないです。゚(゚´ω`゚)゚。 完結まで見届けて下さって感謝しかありません。゚(゚´ω`゚)゚。 ありがとうございました! (2021年11月29日 12時) (レス) id: 20317e0f29 (このIDを非表示/違反報告)
澪凪(プロフ) - 完結おめでとうございますっ!!いやもう素晴らしすぎてトリコになっていました!!!お疲れ様でした!!!! (2021年9月29日 21時) (レス) @page50 id: f9618e512a (このIDを非表示/違反報告)
京華(プロフ) - 完結おめでとうございます!ユリアさんの煉獄さんは格好良くて本当に大好きです!ユリアさんの煉獄さん愛が滲み出すぎて私は毎回溺れています、笑...不甲斐ないなんてとんでもない!更新嬉しかったです!ありがとうございました!!! (2021年9月27日 23時) (レス) @page50 id: 483ff1bb3b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユリア | 作成日時:2021年3月27日 23時

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