あなたはいつだって〈煉獄杏寿郎〉

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「…私、夢でも見てるのかな…」

「よもや！？いつの間に眠っていたんだ！？」

「ぶっ……起きてます、けど、ほら…自分に都合のいい夢でも見てるのかなって、」

「都合のいい…それは、俺も都合良く受け取ってもいいのだろうか」





ずいっ…と顔を近付けてきた杏寿郎さん。


近いっ
カッコいいっ

私今、絶対顔真っ赤になってる…！





「うーん！その反応も可愛いが、ちゃんと言葉にして聞きたい！」

「きっ杏寿郎さんっ…近い…！」

「A、聞かせてくれ」





頭にポン、と置かれた手が、

そのまま髪を撫でながら移動する。


頬に触れて、

思わず身体が強張った。





「…ほら、たったの2文字だ」

「っ…」

「言わないなら、また俺が言ってしまうぞ？」

「ま、待って…！」

「待たない。…聞かせてくれ、A」





頬に触れたまま、

杏寿郎さんの親指が、唇をなぞる。


何で、

何で急に、


こんな色気たっぷりの杏寿郎さんに…！？





「…好きだ、A」

「、っ…」

「Aが一等、愛おしくて堪らないんだ！…俺の恋人になってくれないか」





優しい目で、

優しい声で、


それでも私に真っ直ぐ伝えてくれる言葉は、

こんなにも、熱い。



こんなの、





「…好きって、言うしかないじゃない…！」





諦めなきゃって、

そう思っていたのに。



伝えちゃいけないって、

そう思っていたのに。



泣いて忘れようとしたのに。





「よもや違うのか！？」

「…違わないっ」

「そ、そうか、よかった…！」

「諦めなきゃって、思ってたから…っ」

「？その必要はない、俺も君が好きだ！」

「わ、わかったってば…！」





溢れる涙を、杏寿郎さんが拭う。


想いが通じ合うのは、嬉しいものだな！と

嬉しそうに笑った杏寿郎さん。


…その笑顔が、

今も昔も、私に希望を与えてくれてるって


あなたは気付いていますか…？





「このまま口付けたいのだがいいだろうか！」

「！？え、と…っ」

「性急すぎるのは分かる！それに聞いておいて我慢できそうにもない！すまない！」

「っき、……んっ」





気付けば頭を引き寄せられ、


唇を、塞がれていた。







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