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奴は朝から、
何やらご機嫌な様子だった。
「イイコトでもあったか?」
「えらく機嫌いいじゃねェかァ」
「む!?そう見えるだろうか!?」
「いや、どう見てもな」
口角を上げたまま固まった煉獄。
少し考えた素振りをするが、
次の瞬間には、そうか!!と声を上げた。
うるせぇ。
「今日は約束があってな!良い事というより、楽しみなんだ!」
「約束?オイオイ、まさか女じゃねぇだろうな」
「そうだが!」
「ハァァア!?」
「煉獄にオンナ…!?」
口からチュッパが落ちそうになるのを、
寸での所で回避する。
不死川もこれ以上無いくらい目を見開いている。
…冨岡ですら絶望したような面してるぞ。
「そんなに驚くような事だろうか?」
「いつのまに女作りやがった!?」
「む!?俺と彼女はそのような関係ではないぞ!」
「待て待て待て派手に説明しろ」
煉獄の話によると。
三日前、
初めて行った居酒屋で見つけた、
鬼殺隊としての前世の記憶を持つ女。
どういうわけか、
頑なにそれを認めようとはせず。
事情があるのだろうと、
それ以上を追求することはなく解散になった。
はずだった。
だがどうにも煉獄はその女に聞きたいことがあるからと、
翌日一人で尋ね。
さらに今日もまた、
会う約束を取り付けたと。
「聞きたいことって何だよ」
「……内緒だ!!」
「てめっ…隠し事たぁいい度胸じゃねぇの」
「そこまで入れ込む理由があんだろォ」
「……内緒だ!!」
嘘はつけないこの男。
内緒、で通すつもりだ。
ガキか。
結局最後まで詳細を語ることもなく。
定時で仕事を終わらせた煉獄は、
颯爽と学園を後にした。
「…あいつがあそこまで女に興味持つの初めてじゃね?」
「……ついに、かねェ」
「?どういう意味だ?」
「気付いてねぇだけで、惚れちまってるってこった」
「……会ったばかりの相手にか?」
「関係ねぇさ。誰かを好きになる瞬間なんざ、いつどのタイミングで訪れるかわからねぇもんよ」
「少なくとも、会って三日で約束取りつけてまで攻めてんだァ……相当のもんだろォ」
遅めの春、ねぇ…
派手に気になるが、
しばらくはそっとしといてやるかね。
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ちゃも(プロフ) - すごく好きな内容でした!キュンキュンしたり感動の涙を流したりしてしまいました!続編待ってます! (2023年1月11日 1時) (レス) @page50 id: fdbe52dffa (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - 澪凪さん» 最後までお付き合い下さりありがとうございましたー!。゚(゚´ω`゚)゚。 亀更新ですみません。゚(゚´ω`゚)゚。 また長編書く際も読んでもらえると嬉しいです! (2021年11月29日 12時) (レス) id: 20317e0f29 (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - 京華さん» 長らくお待たせしてしまって申し訳ないです。゚(゚´ω`゚)゚。 完結まで見届けて下さって感謝しかありません。゚(゚´ω`゚)゚。 ありがとうございました! (2021年11月29日 12時) (レス) id: 20317e0f29 (このIDを非表示/違反報告)
澪凪(プロフ) - 完結おめでとうございますっ!!いやもう素晴らしすぎてトリコになっていました!!!お疲れ様でした!!!! (2021年9月29日 21時) (レス) @page50 id: f9618e512a (このIDを非表示/違反報告)
京華(プロフ) - 完結おめでとうございます!ユリアさんの煉獄さんは格好良くて本当に大好きです!ユリアさんの煉獄さん愛が滲み出すぎて私は毎回溺れています、笑...不甲斐ないなんてとんでもない!更新嬉しかったです!ありがとうございました!!! (2021年9月27日 23時) (レス) @page50 id: 483ff1bb3b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユリア | 作成日時:2021年3月27日 23時