冷静沈着ネガティブな俺が美の結晶に成り代わったらしい (ページ11)

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彼の記憶ページ11

青年は目を覚ます
思い出した。いや、思い出してしまった
彼の、大包平の過去を知ってしまった

元々彼等の審神者は彼等に興味がなかった
審神者は刀が好きだった
審神者は自らの意思を持つ人間達が嫌いだった
故に、刀剣男士達のことは大嫌いだった

それでも審神者は彼等に手入れなどをした
そう彼、大包平が来るまでは
審神者は初めて意思ある物に興味が湧いた
その美しい様を見ていたかった
だが、必要ないものがあった
それは感情だ。
少年のような屈託のない笑顔も
綺麗な宝石のような涙も
審神者は必要としていなかった
どうすれば、どうすれば.........
完璧に、完璧な彼にできる

そうだ
壊して仕舞えばいいではないか

そこからの審神者の行動は早かった
自分の知識と霊力をフルに使って

大包平の記憶を
本丸で過ごした日々を
自分の名を
憎たらしくも認める好敵手の名を

そして、兄弟の名を
すべて、すべてすべてすべてすべてすべてすべて
消した。なにもかも

大包平は絶望した

自分の歴史が
仲間達と過ごした思い出が
自らの名が
憎たらしい好敵手の名が

そして、大切な兄の名が

跡形もなくすべて消えた。
そう元からなかったかのように、すべて

思い出そうとしてもなにも思い出せない
なんとしても思い出さなければいけないのに
彼は必死に抗った

だが、審神者はそれをよく思わなかった

そして

刀剣に

彼の兄に、友に、好敵手に

手をかけ

折った

すみません。次で過去編ラストです！
文字数がしんどかったんや........