Coral pea -小町藤-2

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『話せなかった.......』




隣の席だというのに全く話しかける隙が見つからなかった。





クリスマス前だからかほかの女子たちのガードはいつもより固く、そして男子にも人気な北人くんはいつも人に囲まれていて。
帰りこそは！と思っていたものの予鈴が鳴るとすぐに先輩に呼ばれて部活に行ってしまった。




内容も内容だし、２人の時に話したいんだけどなあ。





そう思いながら、机の中にしまってある教科書やノートをカバンへ入れていく。






今日は今からバイトだし、私もそろそろ帰ろうかな、





そう思い立ち上がると、同じく今から部活に行くらしいいっちゃんがこちらへとやってきた。






「北人に聞けた?」






『それがまだなんだよね、、』





隙が見当たらなくて、と苦笑いしながら言う私。





「今のところは何も無いってよ。」






『もう聞いてくれたの！？』





あまりの速さに驚くと、それくらい聞けるわとあっさり返された。





「頑張って。」





『あ、ありがとう。』






部活へと向かう彼を見送って、私も教室を出る。
せっかくいっちゃんが助けてくれたんだから、私も頑張らなきゃ。




誰にも邪魔されず、2人で話せるとき、、







明日の朝しかない、そう思ってバイト先へ向かった。









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