Coral pea -小町藤-2

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彼が迎えに来て、連れてこられた場所は





猫カフェだった。






『なに。可愛い〜』





猫じゃらしを揺らすと、沢山の猫が集まってきて一生懸命遊んでいる。




猫と遊びながら、いっちゃんの姿を探すと彼の膝の上には１匹の猫がいた。




優しい表情で猫を撫でている彼。




私が落ち込んでいる理由を彼は何にも聞かないでいてくれた。
そして、こうして私を外に連れ出してくれている。





私は彼の方へ近づき、声をかけると猫を撫でていた彼は、ゆっくりと顔を上げた。





『いっちゃん、ありがとう。』




「いや…俺が来たかっただけだし」





そう言って私のためじゃないと言ってくれるのも彼の優しさ。






「諦める必要ないんじゃない」




再び猫へと視線を落とした彼はそう呟いた。




『…え？』





「好きなら好きでいいってこと。」





「北人を超えるくらいいい人に出会うまで、想ってたっていいと思う。俺はね」







彼の言葉で私は自分の中にある彼への気持ち全てを受け入れようと思った。



無理に忘れる必要なんてないんだということに気づいたから。




そう考えると少しだけ気持ちが楽になった気がした。








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