Coral pea -小町藤-2

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突然のいっちゃんの登場に驚きつつも、他に誰もいないかを確認して彼に視線を戻す。





「んで、北人のこと誘うんだ？」






『ちょっ、声大きい』





いっちゃんがニヤニヤしながら私を見て大きな声で言ってきたので聞こえるじゃん、と慌てて制する





そんないっちゃんの背中を押してベランダへと出た私は、ガラガラと扉を閉める。
ここなら誰にも聞かれないだろう。





『誘いたいな、とは思ってるんだけど誘ったことないしどう言えばいいか分かんなくて。まずは予定が空いてるか聞かないとだよね。』






「俺がさりげなく聞いといてやろうか？」






A、恋愛に関しては奥手中の奥手だからな、と笑って言う彼の言葉に甘えようかとも思ったけど、こうゆうのは自分で聞いてこそ意味があるんじゃないのかなと思った。





『や、でもそういうのは自分で聞いた方がいいんじゃないかなとか思っちゃったりして。』





「へえ、じゃああの状態で聞けるわけ？」





といっちゃんが目線を教室の中に戻したので、それを追って教室の中に目線を戻すと、そこにいたのはさっきまでいなかった北人くん。とその周りに集まる女子たち。






「思った以上にライバルは多そうじゃん。」






私はすっかり、彼がとってもモテモテなことを忘れてたみたい。
私なんかが誘っても、他に過ごしたい女の子がいるかもしれない。




「俺が予定空いてるかだけ聞いとくから、その後は自分で頑張りな。」





いっちゃんは一気に自信をなくしてしまった私を見ながらそう言って教室に戻って行ってしまった。








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