Coral pea -小町藤-2

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翌日。




待ち合わせ場所に着くと、もうすでに北人がいた。



まだ集合時間前だと言うのに、早々と来て待っていてくれる彼は、さりげない気遣いができる人。





『お待たせ。』





「ううん、俺も今来たとこ...ってえ。」




振り向いた彼が固まっている。




「染めたんだ、髪」




『うん...どう、かな』




「似合ってるよ、かわいい」





彼とのデートが決まった後、美容室に行ってはじめてのカラーをした。鮮やかなマロン色に染まっている私の髪。





かわいい、と言われて思わず照れる。



何度言われても慣れないもので。




行こっか、と言って歩き出す彼の手を握って歩き出した。








私たちが訪れた場所は、水族館。




私は水族館が大好きで、子供の頃はイルカのトレーナーになりたいと思った事もあるほど。





だから、ずっと北人ともデートで行きたいと思っていた場所だった。




そんな大好きな場所に来ると、自然とテンションも上がってしまうわけで。





『わぁ、見て！魚いっぱいいる！』




「ちょっ、A！走ったら危ないよ」




『平気だよ〜っわ！』




危ないよ、そう言われた途端床に敷かれた絨毯に躓く私を片手で支えてくれた北人。
至近距離にある彼の顔と男らしい腕にﾄﾞｷﾄｷする。





「ほら言ったじゃん〜」





『...ごめんなさい』





「転ばなくてよかった」





こうしたら安心だね、そう言って優しい笑顔を向けた彼は、私の手を握ってくれる。




繋いだ手をゆらゆらと揺らしながら大水槽へと近づくと、沢山の魚達が姿を表した。





魚達は、大小様々、色とりどりで、大きな水槽の中を自由に泳いでいる。





彼の手の温もりを感じながら、その水槽を眺めた。





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