Coral pea -小町藤-2

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北人くんは、すぐにラッピングされた包装紙を取り除くと中から出てきた四角い箱。




私を一度見てから箱の蓋を開けた北人くんは目を輝かせた。




「スノードーム…？」





私がプレゼントしたのは、星がモチーフのスノードーム。沢山お店を回って、何をあげようか色々考えて悩んでいた時にふと立ち寄った店で見つけたもの。これを見た時、真っ先に北人くんの顔が浮かんだ。





「嬉しい、ありがとう。部屋に飾るね」




そう言って大事そうにふたたび箱に戻す北人くんを見て、今日1番伝えたかったことを伝えたい、そう思った。





『あのね、北人くんもう1つ言いたい事があるの。』





次の言葉を発しようとした時、私の頭に浮かんだのは、悲しそうないっちゃんの顔だった。





彼を傷つけてしまった私が、想いを伝える資格なんてあるのかな。


いっちゃんは、頑張れよって言ってくれたけれど本当に伝えてもいいのだろうか。わたしには何が正解なのか分からなかった。


思わず涙が溢れそうになって、唇を噛んで下を向く私。




「Aちゃん、？」




なかなか言葉を発しようとしない私を不思議に思ったのか北人くんが私の顔を覗き込む。





「泣いてるの？」





『ごめっ、目にゴミが入っちゃって。』





さらに顔を背けようとする私を彼は抱きしめた。
苦しいくらい強く。






「大丈夫、大丈夫だから。分かってるから。」





さすられた背中に、さらに涙が溢れ出す。
それ以上何も言わずに抱きしめてくれる彼。私といっちゃんの間にあったことを彼は知っているのだと悟った。







それからしばらくして私の涙が落ち着いた頃、





「ねえAちゃん。俺、Aちゃんのことが好きだよ。」





抱きしめられたまま北人くんから告げられた言葉に、時が止まったような感覚になった。








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