Coral pea -小町藤-2

2 ページ2

.






『玲が私といっちゃんを見た時、2人で出かけてたのは本当。』





『玲には言ってなかったんだけど、夏休みにみんなで出かけた時にいっちゃんに告白...されてさ。』





『その返事をあの公園でしてたの。私は北人くんが好きだから、ごめんなさいって言った。』





私の言葉を聞いていた玲の瞳が大きく見開かれた。






「そう、だったんだ。」





そんな彼女を見ながら、私は話を続ける。




『玲に告白されたこと、言った方がいいのかなって悩んだけど言えなくて。でも結局、玲を傷つけることになっちゃって、あの時言っておけばよかったって後悔してる。ほんとごめん。』






「勘違いしてたのは、私の方だったんだね。ちゃんと最初からAの話聞いとけばよかったのに、ごめんね」





さっきから謝ってばっかだね、私たち。と言って笑い合う。そうやって仲直りできちゃうのは彼女だけかもしれない、そう思った。



その時、少し強めの冷たい風が私たちの間を通り抜ける。




お互いの誤解が解け仲直りできたし、暗く、寒くなってきたし帰ろうか、と2人で校内を歩き出すと





「実はいっちゃんがAのこと好きなのかなって言うのは薄々気づいてたんだよね、笑」






と玲が突然言った。






『え、うそ。そうなの！？』




全然知らなかったのに、と驚く私を見てやっぱ気づいてなかったか、と言って笑う玲。






「うん。自分じゃ気づかないもんなんだよね、意外と。」






しみじみと言う玲に、どこか違和感を覚え問いただす私。






『なんか言葉に重みがあるけど、もしかして何かあったでしょ。』







少しの沈黙の後、重たい口を開いて放たれた玲の言葉に驚くことになるなんて、この時の私は知らなかった。








「翔平に告白されちゃった、」








『ええっ！？』









今日1番驚いたことは間違いなくきっとこれだろう。






.

3→←1

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す