ファインダー越しの 2【tatsuya.f】 (ページ7)

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56.tatsuya side ページ7

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髪の毛も乾かさずに風呂から出てきたAちゃんはやっぱり疲れてるんだろうなと思った。

柔らかい髪の毛に指を入れて乾かす。

はぁ…心が持たない。今すぐにでも抱きしめて好きだって言いたい。

髪の毛を乾かすと既にウトウトし始めていて先に寝るねと言うから俺も後を追った。ゲームしてていいよ。なんて言われたがそんなもんどうでもいい。

久しぶりに一緒に寝れるんだから。

俺が勇気を振り絞って腕を回すと大人しく俺の腕に頭を置いた

ぎゅっと向かい合って抱きしめると抱き締め返してくれた

もう、好きだよって言いたい。
でもこの関係が壊れるのは嫌だから俺はなにも言えなかった

「たまにでいいから俺に甘えてよ」

『彼女じゃないのにいいの？』

突然そんな事を言うから俺は驚いて言葉が出なかった。
え、そっちもそういう感じ…？
1回もそんな雰囲気出てなくない？

いいよ。そう言おうとしたら

『今の忘れて』

先にそう言われてしまった。
彼女なりに色んなことを考えてるんだと思う。だから今の俺は

「Aちゃんがこの関係性に名前を付けたいならいいよ」

こう返してあげることしか出来なかった。