ファインダー越しの 2【tatsuya.f】 (ページ4)

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53.tatsuya side ページ4

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翌日、初めてAちゃんの運転でラベンダー畑に向かった

一面紫色の広大な敷地を見て驚いた

真剣に写真を撮ってる姿を見ていると邪魔できない気持ちになって少し離れた所から見ていた。

写真を撮られる事には慣れてるいるけど
撮る側の気持ちはイマイチ分からない。
でも、カメラを構えているAちゃんはすごく綺麗だった。

彼女は本来なら雲の上くらいの存在で似たような業界に居るからこそAちゃんと一緒にいてもいいのかな？と不安になる。

「Aちゃん。どっか行かないでね」

『辰哉こそ』

彼女は帰りの車でそう言ってくれた。
Aちゃんの左手に自分の手を重ねるとやっぱり彼女は拒否することなく運転を続けた。気づけば俺は寝ていた。

『辰哉おはよ』

空港に着くタイミングで俺は目を覚まし彼女は優しく声を掛けてくれた。

「ごめん。運転してもらってんのに」

『全然？』

そう言って笑うAちゃんはやっぱり可愛かった