ファインダー越しの 2【tatsuya.f】 (ページ3)

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52.tatsuya side ページ3

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俺はどちらかと言えばインドアで休みは極力のんびり家に居たい。

今日も明日もオフで仕事が入ることも無さそうだしなにするかな〜と思いながらリビングに行くと何やら忙しなく準備をするAちゃんがいた。

どうやら、仕事で北海道に行くらしい。
俺と違って彼女はフットワークの塊だった。
思い立ったら即行動の彼女が羨ましかった

着いて行ってもいいかと聞くともちろん！と言ってくれた。

生まれて初めて女の子と旅行に行った。
まぁ、とにかくめっちゃ楽しかった。
Aちゃんは旅行慣れしてるからとにかくテキパキとしてくれて俺のやることはほとんど無かった。
夜に行きたいラーメン屋さんがあると伝えると一緒に行ってくれた。

『深澤辰哉ってほんとラーメン好きだよね』

「まぁ美味いからね」

『それはそうだ』

Aちゃんはチュルチュルと麺を啜っていた。
ほんとかあいー

それしか言葉は出なかった。

溢れそうになる気持ちを押さえてAちゃんの手を握った。拒否られたら…なんて思ったけれど彼女もぎゅっと俺の手を握り返してくれた。

『辰哉』

好きな人に呼ばれる名前はすごく特別だった。