ファインダー越しの【tatsuya.f】 (ページ8)

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翌日、天気に恵まれ私と辰哉はレンタカーを借りてラベンダー畑に向かった。

『そういえば辰哉って運転できないの？』

「あーそうだね。俺って乗る方が性に合ってるじゃん？」

あー確かになんてクスクス笑うと、私の左手に辰哉の手のひらが乗ってきた

「俺にはAちゃんがいるからいーの」

また、こうやって私は辰哉にキュンとさせられる

ラベンダー畑に着く頃には日もてっぺんに登りすごく暑くなっていた。辰哉はラベンダーソフトなんかを食べながら日陰から私の撮影を眺めていた。

「それ、なんの写真なの？」

私はピントを合わせながら

『これは次の個展の作品なの。』

「個展？」

『そう。写真展みたいな感じだよ。それして集客をしたら私のお給料になるわけ』

ふーん。なんてあんまり興味なさそうにラベンダーを辰哉は見つめていた

「個展、開催されたら教えて。俺もAちゃんの作品みたい」

私はいいよ。と呟いてシャッターをきった