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雑誌の企画も順調に進んで行った
それと同時に個展の準備も同時進行だった。


忙しい日々に疲れることもあったが自分の節目を決めたことで気持ちが楽になっていた


『私、この個展を最後にしばらくカメラマンとしての活動を辞めようと思う』


「嫌です!Aさんの所でまだまだ働きたいです…」

三上さんはボロボロ泣きながら私のことを説得してきた。

「三上…Aさんが決めたことだろ」

『2人とも勝手なこと言ってごめんね?この仕事場は残すつもりだし2人が自由に使っていいからね。』


こういう時に頼りになるのは川野くんだった。



2人きりになった時に何度も本当に辞めちゃうんですか?と聞かれた。みんないろんな気持ちを抱えていたが年明けの個展でこの仕事場は引き払って別々に活動することになった。




「Aさーーん!」

『あっ向井くん。どうしたの?』


出版社での打ち合わせ終わりに走ってこっちに向かってくる向井くんに声をかけられた


「川野くんに聞いちゃったんやけど…カメラマンやめはるんですか?」

子犬のようにシュンとする向井くんに笑顔でコレと2枚のチケットを渡した


『向井くんは有名人さんだから来るの難しいかもしれないけど良かったらどうぞ。』

彼はえ!?とチケットと私を何度も見ていいですか!?と喜んでくれた


『向井くんの大切な人とよかったら来てね』


それだけ言ってまた、と言って立ち去った

向井くんとの雑誌の企画も無事に終わった年の瀬だった

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作者名:えなち | 作成日時:2023年3月22日 10時

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