好きか嫌いで言ったなら……【約ネバ】【短編集】

捻挫【エマ】 ページ6

「ねぇ、A！今日も鬼ごっこね！！」


あからさまに分かる嫌そうな顔をする。

『……やだ。』


キッパリ言われたその一言は私の心にグサッと刺さる。

「うぅ……」

最近レイだけじゃなくてAまで遊ばなくなってしまった。


理由はそれほど重要じゃない。


ただ遊びたくないから。



でもいつものAはイヤイヤ付き合ってくれる。


でも最近はそんな素振りも見せない。



「……」


モヤモヤすることばかりだ。



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



「A、私の事嫌いになったのかも。」


レイにそう言うとふーんと生返事をされた。


『なんて？』


なんてってほんと耳悪いなぁ……



「うおっ！！A！！！」

バクバクなる心臓を抑えて私は少しだけ、聞いててくれたら良いななんて願っていた。


『ごめん、なんかモゴモゴ聞こえたからさ、』


浅そうに言うA。

こんなに困ってるとも知らずにね。


「ああ、丁度いいじゃん



A、お前エマのこと嫌いなのか？」





少し静かな時間が続いた。

『なんで？』



切り出したのは当の本人。


少し意味がわかっていないようで苦い顔をする。


「だってAさ……」



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