好きか嫌いで言ったなら……【約ネバ】【短編集】

無理は禁物【エマ】 ページ37

『ここが……ゴールディポイント？』



オジサンに言われたたった一言。


先程エマは連れ去られ、レイはどうしようもないくせに何かしようと周りを見渡す。



「ああシェルター同様GPは土の中にある。」






頭の計算が真っ白に消されていくのがわかる。
何も考えたくなくて、


エマを探したくて、



でも体は言うことを聞かない。





『エマッ』



気が入ったかと思ったら走り出していた。


どこを探せばいいかわからないくせに空を、地を見つめるだけしか出来ないのに。


『ひゃっ、』


躓いた。

お腹に細い感触。




「〜〜〜〜！！」


レイ、エマ、オジサン



ごめんね、なんかもうよくわかんないよ。


「A!!!!」



ノーマン……？


『ノッ、マンっ！』


すぐそばにいる

あと何歩、五歩くらいでまたおはようって近づける。



「ダメだよ、A。

まだみんな待ってるだろう？」


ノーマンの刺した先にはまだ笑顔広がる家族たちだった。



『……ノーマン…』



ココにはノーマン居ないね。


そう言おうとしたらノーマンは私の背中をぽんと叩きにこりと笑った。



「…またね」





ノーマン、エマは絶対守る。

だから“また会おうね”


“サヨナラ”じゃなくて、“またね”だよ。







エマ、もうノーマンには全部言った。
絶対助けに行くから。

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