好きか嫌いで言ったなら……【約ネバ】【短編集】

行かないで【ノーマン】 ページ33

「A！」

「面白いね

「また遊びたいね。」






ねぇノーマン行かないで。

あの日約束したじゃない。





「僕が君を守るよ。」




って、貴方は約束を破るような人じゃないでしょ？




┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


その日は特にこれと言ったトクベツはなく、ただ普通の日だった。

ご飯が良いのだったとか、鬼ごっこでエマに勝てたとか。


そんなのもない。



『ノーマン見て今日はもう月が見える。』



色の抜けたような白い月は私たちを照らすことなくそこにいる。


「本当だ。」


ノーマンも至っていつもと同じ。

『私ノーマンの記憶でね一番好きなの、小さい頃約束したことなんだ。』





小さい頃に私達は鬼ごっこをしていた。
そんな時ノーマンから何となく出た言葉。



「僕が君を守るよ。」


その一言が私は一番好きなんだ。



「やめてよ恥ずかしい。」


手で顔を隠しても横から見える耳が赤いから照れてるのがわかる。


『……えへへ。』


大きくなった今でもノーマンは変わらず優しい。


だから絶対この想いは隠し通さなきゃいけないと思った。

みんなのノーマンだから。
私一人のものじゃないから。


『…当たり前だけどさ、』




当たり前が当たり前じゃないの。

私はノーマンが好き。


また新たに実感してしまったのだ。

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