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『お邪魔しま……』
玄関に足を一歩踏み入れた途端、私の心臓はメーターを振り切るようにドクンと脈打った。
足元には綺麗に並べられた靴があり、中にはジョングクくんのものだろうか、少し汚れた運動靴がある。廊下の先のリビングからはたたんでいる途中だったのであろう洗濯物が見え、廊下沿いの半開きの個室のドアや、ニ年前で時を止めたカレンダーなども、一層時の静止を感じさせる。
あまりにも生活感がありすぎるその部屋に、えも言われぬ恐怖を感じた。
一見すると…お母さんが少しだけスーパーに買い物に出た……それぐらいの生々しさ。…この家の人々の「生」が、まるで自分だけ未だにその事実を知らないまま生きているかのような空間だった。
『………』
それでも…入って調べないといけないんだ……
靴を脱いで恐る恐る家へと上がる。やけに周りの音が静かだ。
リビングに入ると、ダイニングキッチンが目に入った。
まさか中身は入っていないと思うが、この状況下において逆に不自然な、中くらいの鍋がコンロの上に置かれている。
第一の殺人が行われたのは、このダイニングキッチン。被害者はジョングクくんのお母さんだ。
夕食を作っている途中に襲われ、体中を何度も刃物で刺された。正確な刺傷の数は多すぎて把握されていないらしい…けど…
……自分が立っていたところで、人が…殺されたと思うと…
『…ッッ！！』
一人でそんなことを考えてしまい、怖くてたまらなくなって慌てて玄関から飛び出す。
これはどう考えても、一人で部屋を真っ暗にして心霊番組を見るよりも怖い。キツい。しんどい。
こんなことならテヒョンに来てもら……いや、それはダメだ……迷惑をかけてしまう……
第二の犯行が行われたのはお風呂場で、入浴中のジョングクくんのお父さんを母親と同様回数もわからないくらい刺しまくった…と…………特に見るものも…ないよね……
あと見ないといけない肝心な場所は………――ジョングクくんの部屋だ。
もう一回行ってこよう…そして今度こそ怖がらずに現実を見なければ…
『…ふぅ…』
もう一度、玄関のドアに手をかけた時だった。
「そこでなにをしている！！」
『…ッ！？』
私を引き留めたのは、威圧的で勇ましい声。
振り返ると、そこにいたのはきっちりとした紺色の制服に身を包んだ、2人の警官だった。
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リオナ - あの、更新はもうされないのですか？ (2019年7月17日 19時) (
レス) id: 6f626689fb (このIDを非表示/違反報告)
あも(プロフ) - すごい読んでてワクワクします！！これからの展開が楽しみです！更新頑張ってください (2017年2月26日 10時) (レス) id: 99dcbf2a9e (このIDを非表示/違反報告)
みんち(プロフ) - 続きが楽しみですね♪ (2017年1月12日 0時) (レス) id: fce98acc68 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よも粉 | 作成日時：2017年1月4日 3時
