雲雀の親代り

誤解 ページ13

恭弥「…………きらわれたのかな」

おにぃさんにおいだされた
ぼくのあたまにはそのことしかなかった

みるみるうちに恭弥の目にたまっていく涙
どうやら其ほどショックだったらしい

ごめんなさい
ぼくがわがままだから
おにぃさんがとられそうでこわかったの

恭弥「けっこん……するのかな……うぅっ!………うぇええん‼…やだぁ!!!!」

やだやだ
おにぃさんとられたくないよ
ぼく、おにぃさんにすてられちゃうの？

恭弥の胸はツキツキと痛む
とうとうこらえきれずに大きな声で泣き出してしまった

恭弥「ﾋｯｸ…うぁあああぁぁん!!!!…ﾋｸｯ…やだやだやだぁぁ‼おにぃさんっ！ふぇえええん!!!」

ごめんなさい
わがままいわないから
ぼくをきらってもいいからすてないで！

恭弥の泣き声は屋敷中にこだました
すると……

ふわっ

ぎゅううっ

「どうしたんだい？恭弥…」

恭弥の体は持ち上がり大好きな人の腕の中に閉じ込められた

恭弥「ふぇ、おに、ぃさ………お゛にぃ゛さぁん゛!!!!」

貴方「泣きすぎだよ」

おにぃさんっ！おにぃさん！!!!!
やっぱりいやだ‼おにぃさんからのあいじょうはぼくだけにそそいでもらいたいもん!!!

恭弥は咋弥の温もりに更に泣きじゃくった
思わず本音をこぼしてしまう

恭弥「やだやだやだぁぁ!!!おにぃさんっ！けっこんしないでよぉ!!!!

おにぃさんをとられたくないっ‼ぼくをすてないでぇ!!!

うわぁぁぁあああん!!!!」

ぼくにはおにぃさんと吉野さん達だけだもん
こわい!!!またひとりになるのｯ!?

すると咋弥は恭弥を抱き締めたまま横になった

恭弥「！ふぅっ！くぁっ…ﾋｯｸ」

貴方「大丈夫…大丈夫だよ恭弥」

おにぃさんっ

恭弥「やだやだ！やっ！」

貴方「落ち着いて恭弥」

暴れる恭弥をきつく抱き締める咋弥

やだやだ、けっこんしちゃうんでしょ⁉そんなのやだぁ!!!

だが次の咋弥の言葉に固まる

貴方「はぁ、結婚なんてしないよ」

恭弥「ﾋｯｸ…ふぇ、？」

いま、なんて？

貴方「僕は結婚なんかしない。そもそもあの女も勝手に許嫁って言ってるだけで、僕は別に興味すらないよ」

けっこんしない？
ならずっといっしょにいられる？

貴方「バカな子だね君は」

恭弥「よかったぁぁ………」

泣きつかれたのか恭弥は眠りこけてしまった

咋弥は恭弥を布団にいれ、自室へと戻る


数時間後

起きた恭弥が咋弥を探して泣きわめくのは

誰も知らない

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