雲雀の親代り

欲求 ページ11

貴方「離れて」

俺の服…浴衣の中にいる恭弥にそう言う
胸元は盛大に開き、そこから頭をだし、俺の向かいに座る人間を睨み付ける彼

今日はお客さんが来ていた
そのことを聞き付けた恭弥が先程俺の服の中へ潜り込んでしまったのだ

恭弥「だれ、そのひと」

貴方「はぁ、だから言っただろ？







僕の＿＿＿＿＿＿許嫁だよ」

俺達の目の前には着物をまとい静かに佇む女性
顔はかなり上の部類だろうことがよくわかる

まぁ、許嫁って言うのは勝手に相手方が言ってるだけだけどね

女性「ぼく？私と咋弥の邪魔しないでくださるかしら？今から私達は愛を育むのよ」

恭弥「やだ！」

さっきからこの繰り返し
女性は何やら妄想が爆発してるし
恭弥は泣きそうだし

グイッ

恭弥「！やっ！おにぃさ…！」

俺は恭弥を服から出して部屋の外へ出す
嫌だと駄々をこねてるけど…

貴方「少し待ってなよ」

恭弥「やっ！イヤ！おにぃさん！！！おにぃ…」

スパンッ

俺はもとの席に戻る
諦めたのか恭弥の声はしなくなっていた

これでゆっくり話をつけられるね

女性「なんなんですの先程の男児は…」

貴方「さぁね」

女性「ですがまぁ、これでゆっくりと…話せますわね」

ポッと頬を赤く染める彼女は綺麗だ
俺はときめいたりしないけど
其処らの人なら１発で落ちてるんじゃない？

貴方「生憎、君が思ってるようなことは一生ないよ」

女性「んまぁ照れ屋さんなこと」

貴方「はぁ、僕は君のような女は『何人も抱いて』きたからね。女にもう興味はない」

俺だって男だ
性的欲求は自然なことだし成り行きで女を抱いたりなんかしたことは数えられないくらいある

でもそこは体だけ
好意を持たれるのがほとんどだけど俺は好きになったことなんかない

相手の好意を利用して欲求を満たしただけ
勿論避妊だよ。赤ん坊はいろいろ面倒だ(血筋的なあれで)

女性「！いやよ！私は貴方と結婚するの！」

貴方「五月蝿いなぁ…大体、許嫁なんて言い出したのはそちらだ。了承すらしていないのに許嫁なわけないだろう」

本当にめんどくさい

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