【十二大戦】猫の首に鈴をつける (ページ13)

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十二ページ13

「辰の、……戦士か」

長幸「おう」

「私を殺すなら今がチャンスだ」

辰の戦士は朝凪を奪うと、私に馬乗りになり喉にスッと向けた。

長幸「……言い残す言葉は」

「ない」

長幸「そうかよ」

「は、、？」

辰の戦士は、朝凪を喉元に突き刺すどころか私の右手に握らせた。

「っ、……。何故殺さない」

長幸「あん？忘れたのかよ、」

"俺様はお前に恩返ししに来たんだよ”

断罪兄弟と呼ばれるほどだ。

恩返しなんて、柄には合わないだろうに。

利用して最後には殺す。

辰の戦士の恩返しは、そういったところだろうか。

「積田、長幸……。私が、、助けた、人だな。」

長幸「覚えてたのかよ」

「ああ……」

長幸「そりゃあどうも」

辰の戦士が、私の上から退こうとした時。

その瞬間だ。

生首が勢いよく飛んできた。

あろうことかその首は、辰の戦士が運悪くキャッチしてしまった。

長幸「っ！！」

憂城「みーつけた」

「危ない！！！」

私は勢いよく長幸を押して朝凪で憂城の剣を止めた。

「首をビルの下に投げろ！こいつは、死体の視界と自分の視界を連動させることができるんだ、」

憂城「ええ？なんで？なんでわかっちゃったの？」

"僕に今見えるのは、ドラゴン君。君の顔だ”

卯の戦士は、私ではなく辰の戦士を先に片そうとしていた。

「っ、長幸！！」

思わず名前で呼ぶほど緊迫した状況に私はついていけない。