【轟焦凍】一夜の夢それは幻 (ページ4)

今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:1,067 hit

一夜の夢それは幻 3 ページ4

「うわぁ……すごい」

まだ家を出てからそんなに歩いていないのに、女は嬉しそうにはしゃぐ。

轟「名前は？」

「歌羽A。」

轟「屡倉じゃないのか？」

「私、養子だから」

そう言って悲しそうな顔をした。

「あなたは、轟焦凍さん？」

轟「どうして知って、」

「有名なヒーローさんだもの」

"かっこいいなぁ”

憧れの眼差しで俺を見つめた。

しばらく歩くと駅に着いた。

「電車だわ！轟さん、これに乗りたい！」

轟「ああ、乗ろう。Aは、電車初めてか？」

「養子になるため、ここに来る時電車に乗った。それっきりよ。……両親も祖父母もいない。私を置いてみんなどこかへ行ってしまったから……」

Aは、はっと気づいたように口を抑えごめんなさいと謝った。

いらない話だと思ったのか。

轟「そうか。……Aは俺に似てるな」

辛い過去を持つ。

それが今初めて見つけた共通点だ。