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なんでだろう。 後編 伊沢さん ページ8

ピピピッ ピピピッ


アラームの音で目が覚めた。



開きっぱなしの窓から朝の風が入ってくる。


朝日が容赦なく私を照りつける。



A「行かなきゃ!」


とりあえず講義に向かおうと服を着替えて髪を整え、家を出た。





電車に乗ってスマホを開く。




拓司『今日時間ない?話したいことあるんだけど…』


拓司からLINEが来ていた。


慌てて返信する。


『講義終わってからなら大丈夫。いつもの公園でいい?』









A「拓司!」

拓司「A。なんか、久しぶり?」

A「そーだね。」


とりあえず座りなよ、と拓司がすすめてくれたベンチに腰掛ける。



…本当は、あんまり会いたくなかった。


昨日のモヤモヤが、まだ晴れてなかったから。



A「えっと…話って?」


努めて明るく振舞う。


拓司「あー、昨日さ、俺の大学の近くに来た?」



その一言に、ドキンっと心臓が音を立てる。



A「あー…うん、行ったけど…」

拓司「あ、やっぱり?なんか俺に話でもあったんじゃないかなーって思って。
  なんかあった?」

A「い、いや、電車乗り過ごしちゃっただけ!」

拓司「えぇ!?マジか笑」



笑っている拓司。


でも…。



A「怒ってないの…?」

拓司「え?」

A「昨日、拓司に気づいたのに逃げちゃって…。」

拓司「…あー、なんか気にはなってた…。」



やっぱり、バレてた。




A「ごめん。…実は、ちょっと…嫉妬、みたいな感じで…。」

拓司「嫉妬?」

A「こんなこと思うなんてヘンだってことはわかってる!でも、大学の友達と
  喋ってる拓司見たら、私といるより楽しいのかな、って…」



驚いた顔をする拓司。


A「最近あんまり会えてなかったし、拓司、すごい楽しそうに笑ってたし…。」




こんなことを言っても、困らせるだけなのに。


自分でも、なんでこんな気持ちになるのかなんて、わかんないのに。






拓司「違う!…俺も、思ってた…。Aが、俺と会うより楽しいことがあるんじゃないかって。
  だから、デートとかも誘いにくくて…。」


真剣にそう言う拓司。





そうだったんだ…。




なんでこんな気持ちになったのかは、わからない。


でも、拓司もおんなじ気持ちだった…。



それだけで、充分な気がした。





拓司「A…、次のデートの計画立てない?」

A「っ…!うん!!」

運命だと 前編 鶴崎さん→←なんでだろう。 前編 伊沢さん



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園川ひとみ(プロフ) - りりあさん» 本当ですか!?嬉しいです!!本当にありがとうございます!! (2019年9月9日 19時) (レス) id: dafc3b1dea (このIDを非表示/違反報告)
園川ひとみ(プロフ) - ななこさん» ありがとうございます!リクいただけて嬉しかったです!!本当にありがとうございましたー! (2019年9月9日 19時) (レス) id: dafc3b1dea (このIDを非表示/違反報告)
りりあ(プロフ) - 完結大変お疲れ様でした!この作品とても大好きで1作目から読ませて頂いてました。とても大好きな作品です!大変お疲れ様でした! (2019年9月8日 22時) (レス) id: b31851315e (このIDを非表示/違反報告)
ななこ - 完結おめでとうございます!お疲れさまでした。また、リクエストに答えていただきありがとうございました(今更ですいません…)! (2019年9月8日 20時) (レス) id: d7b6da680b (このIDを非表示/違反報告)
園川ひとみ(プロフ) - ななこさん» リクありがとうございます!また書かせていただきますね! (2019年8月15日 20時) (レス) id: dafc3b1dea (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:園川ひとみ | 作成日時:2019年5月26日 17時

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