天才と恋しちゃっていいんですか!? ３ 【東大王】＜短編集＞

相合傘　伊沢さん ページ19

高校生設定です！

――――――――――――――――――

A「あ！傘忘れた!!」


昇降口で鞄を探って傘を出そうとした私は、傘がないことに気づいてつい叫んだ。




そういえば今朝、お母さんに言われたっけ…。


母「A、傘持っていきなさいよ！あんた絶対忘れるから!!」



(うぅ…予言的中…。)


濡れながら帰るしかない、と思ったとき。




拓司「俺の傘入りなよ。」


A「伊沢くん！いいの!?」


同じクラスの伊沢くんが、傘に入れてくれた。




A「ごめんね…まさか忘れるなんて…。」

拓司「いーよ！気にしないで！」

A「今朝お母さんに、「あんた絶対忘れるから!!」って言われちゃってさー、
　 予言当たっちゃったよー！」

拓司「はははっ笑」



伊沢くんの笑顔。


同じ傘に入っているからか、いつもより半歩ぶん近い。




(っ…!!)




ドキドキが止まらなくなる。







やっぱり私、伊沢くんのこと好きなんだ…。






そう気づいた途端、伊沢くんをすごく意識してしまう。



拓司「ん？どうかした？」

A「いっ、いえ！なんでもないれす!!…あ、噛んだ！」

拓司「なんでもないれすって笑笑 なんだよ笑」



あ、またその笑顔。


こんな近くで見れるなんて、幸せだなぁ…。





拓司「…ん？吉田？」

A「え、あ、ほんとだ！」


同じクラスの吉田さんを発見した。


吉田さんも、伊沢くんのこと好きなんだよね…。



すると。




吉田「拓司く〜ん！ねねっ、傘入れてくれなぁい？私、今日傘忘れちゃったんだよね〜」


(え…)


それって、私はもう伊沢くんの傘に入れないってことだよね？



どうしよう…。




すると。


拓司「…いや、吉田傘持ってたじゃん。俺見たよ？」


吉田「え、あ、あれは…そのぉ…。ち、違うの…」


拓司「それと、俺のこと好きだからって待ち伏せしないで。A、行こ。」


吉田「っ…。」




伊沢くんは、また歩き出した。




A「いいの…？吉田さん伊沢くんのこと好きなのに、あんなこと言って…」


拓司「…いいよ。興味ない。」


A「ドライだなぁ…。」


拓司「誰にでもそうじゃないよ？…例えば、Aには興味あるけど。」



(…え？)




A「えっ、興味って…??え!?」


拓司「っあー、早く帰らないと風引くよ！急ごう!!」



そう言うと伊沢くんは私の手を引いて走り出した。








この２人が付き合うのは、もうちょっと先のお話。

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