天才と恋しちゃっていいんですか!? ３ 【東大王】＜短編集＞

名前も知らない君。　前編　光ちゃん ページ11

光ちゃん目線で、高校生設定です！

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ガタン…ゴトン…


電車の揺れが心地よくって、寝てしまいそうになる。



(…寝ちゃダメ！)


頬を軽く叩いて目を覚ます。




私がこうして起きているわけは。





『次はー△△駅ー△△駅ー』



あ、今日もいた。




整った顔立ちに、さわやかな髪。


いつも、私の前の席に座る彼。



通学で見かけているだけなのに、いつの間にか気になっていた。





でも、彼のことは、その制服とグリーンのネクタイから、
同じ高校の同じ歳であることしかわからない。



…それでもいいんだ。



朝の、ちょっとした私の楽しみ。


秘密の時間。




『次はー○○駅ー○○駅ー』


あ、もうすぐ着く。



この駅で降りてしまうと、私の秘密の時間は終了。


この人のごった返す駅のホームで、彼を目で追うことなどできないのだ。





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光「ヤバい…!!」


いつもより帰りが遅くなってしまった。





放課後、後輩から「勉強教えてください!!」と言われた私は、あやうく先生に頼まれた雑用を
すっぽかすところだった。


けれど後輩の勉強も見てあげたいし…と思った私は、後輩の勉強を見たあと
雑用をできるだけ早く終わらせた。


けれども、けっこうな量だったためこんな時間になってしまったのだ。


とにかく急がなければ、と歩くスピードを速めたとき。




とんとん、と誰かに肩をたたかれた。



光「…？」

振り返ると。



男A「ねぇ、キミかわいーね！いくつー??」

男B「高校生？脚ほっそ！やば、顔もタイプなんだけどー！」

男C「っていうかこの制服、あの超進学校のじゃね!?名前思い出せねぇけど笑笑」



なんだか派手な格好をしたお兄さんが私を囲んでいた。



光「えっと…。」


(どちらさまだったかな…？)



男A「え、頭いーの!?サイショクケンビじゃーん！」

男C「優等生チャンがこんな遅くにどーしたのー？」

男B「ね、俺らとどっか行こーよ！なんか奢るからさー!!」




…もしかして、ナンパ…!?




そう思った途端、ドキン、と心臓が音を立てる。


逃げろ、と脳が指令を出すけれど、足は動いてくれなくて。




(っ…!!)



どうしようもなくなったとき。





ゴッという音がした。



誰かに手を取られる。



「走って!!」



そう言って私を助けてくれたのは…。







あの人だった。

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