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『はぁぁ。なんなの、お前らぁー』

96「え、あ、Aくん?」


俯いた96猫より頭を下にさげ、思い切りため息をつく


『なんでお前ら揃いも揃って人を頼らねぇんだよ、、、』

96「お前ら?」


俺が言えたことではないが、ここにいる全員


仲間を頼ることを怯えすぎてる


『はぁぁ、


 お前一人じゃねぇだろ』


腕の隙間から、少し目を覗かせ96猫を見る


びくりと肩が揺れた


『こう言うのさ、

 回りを見えてないやつが大半だけど

 お前の場合は溜め込み過ぎだ。馬鹿猫』


96猫の額を指で強めに弾くと「いてっ」と言う言葉が聞こえた


額を押さえる96猫に、俺は続けた


『なんでも自分一人で解決しようとするからダメなんだよ。

 人間関係がゴタゴタになってたときも一人で解決しようとしてたんだろ。

 天月から聞いた』


男らしい96猫は、思春期の男女には絶好の標的だった


一時期ではあるものの、
人間関係や友人関係がゴタついて、精神的に来ていた時期もあったらしい


天月も、その数ヵ月後に笑い話として聞いたらしいが、


『あのなぁ、無理に解決しなくてもいいから、誰かに頼れよ』

96「で、、、も」

『裏切られるとか、無意味とか思ってんだろ』


96猫の瞳が揺らぎ、目が泳ぎ始める


ったく、わかりやすすぎだ


『、、、知ってるか?

 本音で話せる奴って、生涯で1人できるかできないからしいぞ』

96「本、、、音」

『そ。お前の中での本音で話せる候補、誰かいるか?』

96「つ、つっきー、、、とか?」


だろうな。俺は顔をあげ、花火をしている集団を見る


天月の持っている花火が、小さく赤く灯った


『なら、その候補を本物にしろよ

 簡単に言えば、一回天月に頼ってみろ

 天月が断るようなら、天月は本音で話せる相手じゃ無かったってことだ』


天月の花火は小さい赤から、大きい赤へと変わる


まふまふ達も、落ち着いたようで花火を手に持ち始めた


『逆に、助けてくれたなら




 、、、わかんだろ?』


ポケッとした表情で俺を見ていた96猫は、
少しずつ唇に弧を描き始めた


『んじゃ、花火いくか』


俺は、その場から立ち上がり、皆のほうに歩いていく


石段を全部下りたところで振り返り、96猫を呼ぶ


『行くぞ、96猫』

96「う、うん!」


その時、坂田が打ち上げ花火の火をつけた


sk「発射ー!!!」


空に描かれる大きな大輪


空を見上げる96猫や、天月たちの笑顔


赤い二人の傷が癒えるのは、そう遠くない未来

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(プロフ) - はい好き!!あと、こういう闇抱えた主人公って良いよね(頼む伝われ) (2020年7月20日 17時) (レス) id: 9f45169083 (このIDを非表示/違反報告)
ふらんどーる@潤くんは天使 - おっかー (2020年7月19日 15時) (レス) id: 7f877cb593 (このIDを非表示/違反報告)
ネコのむら - 続きを待ってます!ふぁいとです (2020年7月14日 6時) (レス) id: fb97ddcbe0 (このIDを非表示/違反報告)
あいわな=あるてのちゃん - ナンくん...やはりあれか、ミナコイで落ちる前に起きたあの...← 待ってるから無理はしないでくれよ!!!!!!! (2020年7月13日 20時) (レス) id: 7f877cb593 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ゆっくりで大丈夫!!無理はしないで! (2020年7月13日 20時) (レス) id: ce948ea5a8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:-No.- | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年7月11日 23時

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