チートですがなにか？【歌い手】

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『ねぇ、お姉さん』

女「あら、さっきの子。どうしたの？」


お姉さんと呼べばあらかさまに嬉しそうな顔で近寄ってくる


チョロい


『綺麗なお姉さんたち、きょうなにしにきたの？』

女「ふふふ。嬉しいこと言ってくれるじゃない。

君、イケメンだし、君にだけ教えてあげるわ」


そういってニコニコと気持ち悪い笑顔で俺の頬に手を添える


あんたら旦那だろ？と言う意味を込めて男たちに視線をやれば、


こちらもニタニタと気味の悪い笑顔を浮かべていた


なるほど、許容範囲なわけね


下手くそな上目使いで俺を見上げる


化粧下手すぎんだろ


白く厚くつけているだけで、細かいシワを隠しきれないババァがよ


花の強い香りが俺の鼻を刺激してくる。


今にも逃げ出したい状況だが、我慢しつつ、話を録るためにされるがままになる


女「私たちは、あの子が欲しいの

桜ノ宮学園のSランク生

その肩書きが、私たちの最高のアクセサリーになるの」

『肩書きが？』

女「そう。わかる？

息子が桜ノ宮学園のSランクだと言うだけで、私たちの社会的地位は高くなる

マスコミやメディアが毎日のように取材に来るわ

そうなれば、簡単にお金が手に入るの」


それは、つまり


『あいつらを土台にして、自分の地位を固めようと？』

女「流石。わかってるわね

だから、お姉さんたちのお手伝いしてくれない？」


そういってババァは俺の目の前に一万円札を数枚ペラペラと見せ始めた


多分、協力すれば金は出すと言いたいんだろう


そりゃ、桜ノ宮学園はただでさえ、倍率が高い上、Sになれるのはほんの一握り


天才たちに取材をしたくても、学園側は断固拒否


今まで、メディアに出演した現役Sランク生はたったの一人


Sランクの親族が勝手に出るということは何度かあったけどな。


まぁ、そんなこんなで、Sランクの人間は謎が多いとして知られている


だから、Sランク生への取材は本人の希望次第で、どんどん値がつり上がっていく


『金目当て』

女「言い方が悪いけど、

要はそう言うことよ」


女はニヤリと笑った

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