チートですがなにか？【歌い手】

11　うらたぬきside ページ13

なにから言うか、


あー、まぁ、まず、俺の本名は浦田(うらた)弥(わたる)


俺の家は結構優秀な家庭でさ、兄貴と弟どっちも


“THE優秀”みたいなのが代名詞だったんだよ


それが父さんと母さんの自慢話だったんだ


でも、当時の俺は兄弟の中でも“出来損ない”だったんだ


能力のサブが出始めるのに個人差があるのはしってんだろ？


俺は全く出なかった


弟は、霧
兄貴は、電流


そんな中、俺は植物しか出なかった


勿論、努力した。


１つだけでも、その1つを極めれば出来損ないじゃなくなるかもって、


でもさ、1つじゃどうしようもねぇんだよ


兄貴にも負けて、弟にも負けて


悔しかった。


でも、なによりも悔しかったのは、両親からの仕打ちだった









ー「出来損ないなんかうちに要らないんだけどね」ー

ー「か、母さん」ー

ー「出来損ないが喋るんじゃないよ！」ー









飯を食べれないことだってあったし、殴られて消えない傷もできた


それでさ、夜中飛び出したんだ。


努力してから帰ってこいって殴られてさ、


「俺はこんなに努力してんのに」って頭に来たんだわ


行く宛が無くて、公園でブランコに座ってたら、俺よりちっせぇ坂田が来たんだよ


ボロボロ泣きながら、追い出されたって泣いてんの


そこでさ、「ああこいつも俺と同じなんだ」って思ってその夜一緒に過ごしたんだ


そこから坂田と居るようになったんだ









ー「うらさーん！」ー

ー「うらさんの能力すげぇ！！」ー









辛いことがあったら、公園に集まって、能力の訓練して、勉強して、遊んで


いつからだったか覚えてねーけど、まーしぃとラマンも途中からずっと一緒だった


四人で家を出ようってなって、この学園の寮に入ったんだ。


...一回だけ、この事を他のやつに話したんだ


坂田たちの後に信用してた奴に


そしたらさ


「で？なにそれ。自分可哀想ですアピール？w」


だってよ。


それから、自分を閉じ込めることにした。


仮面を着けた俺を信用したやつは、絶対に信じないって決めて。

か
まあ、それが俺の過去だ

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