薬 指 （Orange）

提案 ページ12

健「ね！これから俺に夜ご飯作ってくれない？」


健くんと呼んだばかりで、心臓はバクバクなのにそれを超えるような発言をしてきた。


「え…いや…あの。」


健「…お願い！食費はもちろん払うし！」


悠希のこともはっきりしてないのに、みやけ…健くんへの思いの蓋を開けてしまうのはどうなのかと考えていると


健「…Aちゃんは俺と一緒にいること嫌？」


「いや！そんなことは…！」


健「じゃあいいよね？」


いたずらっ子の笑みでこっちを見た健くんにうまいことはめられてしまい、


三宅さんから連絡が来て私も大丈夫な日はご飯を作ることが決まってしまった。


健「ん！」


そう言って手を出す健くんの手にはスマホが握られていて


健「…連絡先！俺ら交換してなかったから(笑)」


「わたしなんかと交換して大丈夫ですか？」


嬉しいと思うのに素直になれない自分。


健「交換しないと俺ご飯食べに来れないじゃん。


…それに俺はAちゃんの連絡先知りたいなぁ〜。」


三宅さんはさっきから思わせぶりな発言が多くて勘違いしてしまいそうになる。


「わかりました…。」


連絡先を交換したあと、健くんはきちんと流し台まで食べたものを持って行ってくれた。


洗うと言われたけど、そこまでさせてしまうのは気が引けて


私が洗い物を終えるのを見届けると三宅さんは自分の家へと帰って行った。


1人なってホッとしていると通知音ととともに


健『テスト、テスト！初めての連絡(^-^)/


今日はごちそうさま！すっかりAちゃんに胃袋つかまれてしまいました(笑)』


とメッセージが届き、しばらく胸の高鳴りは収まらなかった。

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