ナ マ イ キ 3（Red）

不安 ページ12

坂本さんも含め3人でご飯は行くことはあっても、長野さんはそのあと特に誘ってくることはなかった。


そして剛くんは新しい舞台が決まり稽古が始まった。


剛「A、行くよ。」


「うん！ちょっと待って。」


稽古場が事務所の少し先だということと


剛くんはわたしが電車に乗らなくていいようにと


毎日朝は剛くんの車で一緒に通勤してた。


剛「今日さ18時くらいには終わるから会社で待ってなよ。


…迎えに来るから一緒に帰ろう。」


「え？いいの？」


剛「ん。A仕事したいって言ってたし、俺も今日は早く終わるからさ。」


そう。痴漢にあってから坂本さんが17時には帰れと追い出されてしまって仕事が思うように進まない。


坂本さんや長野さんがわたしが帰った後、仕事のフォローしてくれてるみたいだけど


前みたいにがむしゃらに働きたいと思う自分がいて。


「…剛くん。ありがとね。」


降りる前に軽くちゅっとキスをして車を降りる。


長野「…今日も送ってもらったの？(笑)」


「…あ、はい！」


長野「…Aさんさ、前に行ってたご飯明日とかどう？」


「大丈夫ですよ！」


剛くんも明日はスタッフさんと飲み会だって言ってたから…。


長野「店は俺が決めていい？」


「もちろん(笑)任せます。」


明日のご飯の話をしながら事務所に向かった。


剛くんが迎えに来るということで仕事もサクサク進んでいた。


…時計が終業の時間を指し、


坂本「…A帰れよ！」


「今日は大丈夫です。迎えに来るんで。」


そう言って待ってたのに…


剛くんからは19時になっても20時になっても連絡が来ることはなかった。

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