気持ちの花束 (Blue)

31 ページ32

坂本「ねぇ！Aちゃんって呼んでいい？」

さっきから積極的な坂本さんのせいで高鳴る心臓がなかなか静まらない…。

「あ。はい…。」

坂本「じゃあAちゃんて呼ぶわ。引き留めてごめんね。おやすみAちゃん。」

「おやすみなさい…。」

坂本さんは満足げに背を向けて帰ってしまった。

ドアを閉めても頬のほてりと胸の高鳴りは収まらなかった…。

(よっちゃんにAって呼ばれるときと全然違う…)

小さいころから一緒だし慣れてしまったのもあるかもしれないけど
よっちゃんに名前を呼ばれるとあったかい気持ちになる。

坂本さんにAちゃんて呼ばれると苦しくなる。

(私は誰のことが好きなんだろう…)

玄関の入口に立ったまましばらく動けないでいた。


母「いつまでそんなところ立ってんの〜。早く御風呂入って寝ちゃいなさい。明日も早いんでしょ？」

母の言葉で明日も1限からだったことを思い出し、やっと体が動いてくれた。

「あー、ごめん。靴が脱げなくてね…」

母「恋の相談ならお母さん歓迎だからいつでもどうぞ〜」

「…！」

母「まぁAが話したくなったらでいいから！とりあえず今日は早く御風呂入って寝なさいよ！」

「ありがと…」

(完全に忘れてたけど明日も教習所入れてたんだった…。どうしよう…。)

なんとなくよっちゃんに坂本さんが呼び方を変えたことは知られたくない。

布団に入って寝る前に『大丈夫？』とよっちゃんにメッセージを入れて
坂本さんのことを考えていたら寝落ちてしまっていた…。

32→←ご挨拶

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す