【ハイキュー】ライバルポジは報われない【黒尾鉄朗】

報われない３ ページ5

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「俺、佐倉に告白しようと思うんだ」


やっくんのその言葉に、やっぱりか、と思った。


おそらく水族館に行ったときになんかあったのだろう。
そこで私は、さてどうやって二人の距離を離してやろう、と打開策を考えていたところで思う。


そんなことしなくていいんじゃないか、と。


もうふたりの仲は私の入る隙がないほどに近づいている。しかも、おそらく佐倉もやっくんのことが好きだ。


私がこれから何をしようと、二人の仲が悪くなることなんて絶対にないだろう。


何せ彼女は……




主人公なんだから。


だから、だから私は一つ大きく息を吸って、いらない感情を心の奥底に押し込み蓋をした後、やっくんに言った。


「二人が付き合えるように応援するね」と。


それからははやかった。それなりの段取りを踏ませて、さりげなくアドバイスして、そして告白できる雰囲気を作って、



そして運命の日。


二人だけにするために、野次馬になろうとする黒尾やリエーフなどを引っ張りながら帰った。途中、あのとき閉めた心の蓋が開いてしまったみたいで泣いてしまい、海や研磨などの可愛い後輩たちに心配されたが、涙を溢しながら「大丈夫」と答えておいた。



家に帰ると自分の部屋に直行して、お姉ちゃんにうるさいと怒られるのも気にせず、子供のように泣き叫んだ。


誰かがいった。


ライバルポジションは報われない。


どれだけ頑張っても結局付き合うのは主人公で、


ライバルは幸せにはなれない。



それを思い出した私はもっと大きな声を出して泣いて、とうとうお姉ちゃんに蹴られた。



それが三日前の話である。

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