報われない2 ページ4
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やっくんこと夜久衛輔は、私の幼なじみだ。
幼稚園の頃からの付き合いで、ずっと一緒。
しかもやっくんはあんな男前の性格だから、私が恋に落ちるのにそんな時間はかからなかった。
でも、やっくんは手強かった。
鈍感なんて言葉で表せないほどに鈍感で、私がどれだけ猛アタックしても気づかない。
それでも私はめげずにアタックし続けた。
やっくんに、私を好きって思ってもらえるように。
中学、高校の部活は、やっくんがバレー部に入りたい、っていったから男バレのマネージャーをやって、少しでもやっくんの役にたてるように頑張って、
やっくんにつく変な虫は、ちゃんと裏で脅して近づかないようにしてもらって、
できるだけ、やっくんに近づけるように、いつか好きっていってもらえるように、たくさん努力した。
そんな中、あいつ、佐倉花恋はやって来た。
佐倉は高3の春にやって来た転校生。
やさしくてかわいくて穏やかで。
いかにもモテそうな漫画の主人公みたいな女の子。
最初は、それぐらいの印象。
でもそれは、佐倉の転校初日の放課後に覆る。
「A俺……佐倉に、一目惚れしたかも」
「……は?」
部活の休憩中、口元を手で隠し、顔を赤くしながら言ってきたやっくんに、私は顎が外れるかと思うほど口を開けて、目玉が飛び出るかと思うほど目を見開いた。
そんな私たちを周りで見ているのは、いつも通りニコニコした海と、疲労で倒れる研磨。そして、マジかよ!と爆笑する黒尾。
その時私はただただ混乱した。
私が約10年、どれだけアタックしても、やっくんの心は微塵たりとも動かなかったくせに、ぽっと出の女に簡単に動かされた。
その事実が信じられず、私はその混乱をあの女に向けた。
小さながらも嫌がらせ。
できるだけやっくんに近づかないように仕向けた。
だけどそれが逆効果だったのかなんなのか、なぜか仲良くなる二人。
私がどれだけ邪魔をしようとどんどん二人の距離は近づいた。
二人で水族館に行ったなんて聞いた日は、思わず佐倉をぶん殴りたくなったけどやっくんの前だったため黒尾を殴っといた。
そして2週間前……やっくんに相談があると言われ、近くのカフェまで呼ばれた。
嫌な予感はしていた。
でも、断れなかった。
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ももの助(プロフ) - 伊緒さん» めちゃくちゃ読み込んでくださってる……!!主人公結構拗れてるのに好きだなんていってくださり嬉しいです!ありがとうございます!!これからも更新がんばるのでよろしくお願いします!! (2020年4月10日 12時) (レス) id: d77ec042d8 (このIDを非表示/違反報告)
伊緒(プロフ) - 主人公ちゃんがめっちゃ好きです!プライドをちゃんと持っている所がかっこいいですし、だんだん黒尾に惹かれてわたわたしてるのはもう、ほんとに可愛くて…!続き楽しみにしてます!負担にならない範囲で更新頑張ってください! (2020年4月9日 15時) (レス) id: e88738a4fa (このIDを非表示/違反報告)
ももの助(プロフ) - 月曜日撲滅委員会さん» ありがとうございます! (2019年7月1日 15時) (レス) id: d77ec042d8 (このIDを非表示/違反報告)
月曜日撲滅委員会(プロフ) - お気に入り百人目ゲットだぜ☆ ごめんなさいむっちゃ好みですぅ! (2019年6月30日 23時) (レス) id: 31f9e7709f (このIDを非表示/違反報告)
ももの助(プロフ) - 夜月─《 *無人* 》☆さん» ありがとうございます!そんなこと言っていただけるなんて嬉しいですwwこれからも頑張るのでよろしくお願いします! (2019年5月20日 22時) (レス) id: d77ec042d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ももの助 | 作成日時:2019年5月14日 20時