19話 ページ25
Noside
「何よあいつ……花巻先輩見方につけていい気になったつもり……?」
彼女は一人だった。周りには誰もおらず、唇を噛み締めながら呟く。
「……国見君だって迷惑している。私はただそんなこともわからない子に、注意してただけなんだから」
自分に言い聞かせるように、彼女はゆっくりと言った。
「お、良い感じの憎しみを見つけたと思ったらガキかよ。つまんねえな」
「!?」
いつの間にか、彼女の後ろにはその男が立っていた。
銀色の髪に眼、それに頭の獣耳。明らかに日本では見ない容姿に彼女は目を白黒させる。
「だけどまだ完全な憎しみにはなってねぇな。まだ罪悪感でも残ってんのか?」
男はじっくりと彼女を観察しながらひとりでに呟いた。
「なに、あなた!不審者……!?」
「まあでもすぐに憎しみに染めればいいか。人間の感情なんてホイホイ動くからな」
我を取り戻した彼女は男に質問したが、男は最初から聞く気がないようで彼女を見るのをやめ、懐から一本の薔薇を取り出した。
その薔薇の色は黒く、闇をイメージさせる。
「さあ、咲かせろ……憎しみの花を!!」
男が叫ぶと薔薇からは黒いモヤのようなものが飛び出し、彼女を包む。
そこで彼女の意識は途切れた。
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ももの助(プロフ) - 月夜見(つくよみ)さん» すみません、教えてくださりありがとうございます! (2019年7月6日 7時) (レス) id: d77ec042d8 (このIDを非表示/違反報告)
月夜見(つくよみ) - 誤字見付けたんで報告?しときますね。第四話での夢主が炎ジュエルに触って国見が「光るんだよ、それ」って言った表記が朝比奈ちゃんになってましたよ。国見が言ったって言ってるのに…。と、合ったので言っときます。 (2019年7月6日 2時) (レス) id: 1b059efec0 (このIDを非表示/違反報告)
月華 - 残念です。仕方ないですね (2019年6月24日 18時) (レス) id: 796c431fbb (このIDを非表示/違反報告)
ももの助(プロフ) - すみません、実は月の魔法少女はもう設定を決めちゃっていまして……本当に申し訳ないです。少し遅くなるかもしれないですが月華さんをもとにしたキャラを出させていただきますね! (2019年6月24日 18時) (レス) id: d77ec042d8 (このIDを非表示/違反報告)
月華 - わがまま言ってすみません。出していただけるだけで本当に嬉しいので…… (2019年6月24日 17時) (レス) id: 796c431fbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ももの助 | 作成日時:2019年3月5日 13時