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イヤミがおそ松に向けてボタンを押すが何も反応はなく、
遂にはおそ松からボタンを取り上げられてしまった。
｢お前ずるいよー？こんなの使って、よ！｣
｢あーーっ！｣
おそ松は取り上げたボタンを踏んで粉々にしてしまった。
｢弟達まで粉々にしやがってさ…｣
｢みーんな、ミーがやったザンスよー｣
暗い表情をするおそ松の隣では自慢げに髭を触るイヤミ。
｢ナイス！｣
｢ほあ！？｣
しかし、おそ松から出た言葉は衝撃的なものだった。
｢だって、後はお前さえやれば、俺が主役をキープでしょ？｣
｢…………｣
〈おっとコイツもクズだった〉
おそ松のあまりのクズっぷりにイヤミもドン引きである。
実況からもツッコまれるレベルである。
〈まさにクズ対クズ、どっちが勝ってもこのアニメに未来はありません〉
｢けっはは！皆倒すの面倒だと思ってたんだぁ！丁度良かった！
テメェなんかに主役やるかよ…覚悟しろゴルァ！｣
｢……しいえええ！！！｣
こうして、誰もいない荒れた地の中で二人は喧嘩を始めた。
目つぶしをしたり殴り合いをしたりかなり本気の戦い。
やはり両者共このアニメの主役になりたいのだろう。
｢主役はミーザンスぅ！｣
｢俺がぁ！｣
｢ミーがぁ！｣
｢俺がぁ！｣
二人はそれぞれの頬を引っ張ってダヨーンみたいな口になる。
｢っ、はんにゃろぉ！｣
おそ松の頭突きが効いたのかイヤミは血を噴き出して倒れた。
｢はぁ、はぁ…っ。ったくよぉ…｣
長くなった頬と顎を戻してゴールへ向かおうとするおそ松。
｢待つザンス…｣
｢へぇ！？｣
それでも立ち上がろうとするイヤミにおそ松は振り返って彼を見る。
｢まだ終わってないザンスよ…。ミーの今日という日にかける執念…。
見るザンスぅ！！！｣
すると、ボロボロだったイヤミの服と皮膚が剥がれ落ち、
出てきたのはロボット化したイヤミだった。
｢ミーが主役ザンスー！｣
｢えええ！？！？！？｣
〈なんとイヤミ！自らを改造しての参戦でした！何という執念！〉
まさかの自分を改造して参加したという展開。
誰も追い付ける筈が無いだろう。追い付ける者が凄いだろう。
それまでして主役になりたかったのだろう。
｢シェーーッ！｣
｢うわっ！て、テメェ…！｣
歯を伸ばしておそ松を妨害させたイヤミはそのまま走っていった。
｢シェシェシェシェ！｣
｢あっ！イヤミぃ！｣
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作者名：びた一 x他1人 | 作成日時：2022年8月12日 12時
